コロナ騒動で判明!テレワークでかえってストレスが増えた!どうしたらいい?
新型コロナウィルスの騒動で、多くの企業がテレワークを実施するようになりました。その結果、テレワークには通常勤務とは違うストレスがあることが分かりました。
この記事では、テレワークにはどんなストレスがあるのか、その対処法についてお話しします。
テレワークの結果、ストレスが増えた
2020年5月3日のYAHOO!JAPANのニュースサイトでは「テレワーク拡大も6割が『従業員のストレス増加』企業はメンタルケアが課題」というニュース記事を掲載しました。一橋大学経済学研究科の原泰史特任講師ら「組織学会」の経営学者・経済学者18名とHR総研が2020年4月17~24日の間に全国314社の人事担当者に対して行った共同調査の結果をまとめたものです。
調査結果の一部は以下の通りです
テレワークで何が問題となっているか
仕事上のストレスが増えたと回答した企業は全体の60%もいた
一方、現場でのミスやトラブルが増加したと回答した企業はわずか1割程度
Zoomなどのオンラインツールの使用状況
従業員間のオンラインでのコミュニケーションツールとして、Zoomなどを使っている企業は全体の60%に留まる
オンラインで朝会やランチなどを行い、社員同士で近況報告を共有している企業は全体の22.3%
反対に、オンラインツールを全く使用していない企業が18.8%ある
テレワークを開始する前のイメージと違って、実際にテレワークを行うなかでうつ病になる社員が出てきた企業もあります。「テレワークうつ」という言葉も最近聞くようになりました。
実際に働いて分かったテレワークのストレス
テレワークに伴うストレスにはたくさんありますが、ここでは以下の3個と、その対応策をご紹介します。
【ストレス①】仕事がプライベートを圧迫し始める
会社で勤務していた頃は進捗状況を相談しながら仕事ができました。そのため、進めるのが難しい仕事があったらすぐに上司・先輩に相談し、進められました。しかし、テレワークではすぐには相談ができないこともあります。
仕事が進まない理由がサボっているからと思われないように、仕事を頑張りすぎてしまう、あと少し…と思って時間をかけすぎてしまうという声もよく聞くところです。
対応策
上記に書いたように考える方には、真面目な頑張り屋な方が多いです。そういった方は普段から頑張っているという信頼があるため、多少仕事が進まない日が少しあってもサボっているとは周囲は思わないことが多く、不安に思いすぎないでください。
また、プライベートでのリラックスタイムをしっかり確保しないと頑張るエネルギーが枯渇します。その結果、効率的に仕事を行えなくなるだけではなくミスが増えることは科学的に証明されています。焦る気持ちは当然ありますが、仕事の時間とプライベートの時間をきっちり分けましょう。
【ストレス②】コミュニケーション不足
普段当たり前のように世間話や相談していた同僚・上司と会話できないと、それだけでストレスが溜まります。群れから離れて孤立したアカゲザルの白血球を調べた研究によると、孤立したサルは炎症を引き起こす遺伝子が活発になり、病気を撃退する遺伝子の活性が不活発になりました。このことより、孤独感は抵抗力を下げるということが結論づけられたのです。
対応策
「テレワークで会わなくなったのに、わざわざ何て声をかければいいんだろう…」と躊躇する人や、「普段は相手から話しかけてもらっているから自分から声をかけづらい」人もいるかもしれません。でも、コミュニケーションが不足していて困っているのは相手も同じですので、雑談だけではなくても、「最近どう?」といったような仕事に関する問いかけをされて悪い気はされないと思います。
雑談や仕事に関する息抜きの内容に困ったときは、「相手と共通のこと」を話すのがお勧めです。また、仕事で困ったことの話も、「それわかる!」といった表現や「うんうん」といったうなづきであっても、「孤独感」といった気持ちが軽減されるので、話しかけられた相手も悪い気はしません。
【ストレス③】間食が多くなる
仕事で頑張ろうと思うとき、またストレスが溜まったときには甘いものを一口食べる人は少なくありません。会社だと人目もありますのでちょっと遠慮してしまいがちですが、テレワークならついつい甘いものを気楽に食べ過ぎてしまうという人はいませんか。
しかし、外出が自粛されている現在、甘いものの食べ過ぎは肥満に結びつきやすいので注意が必要です。それというのも、太ってしまうと脂肪細胞がパンパンに膨れ、体内に炎症を引き起こすホルモンを分泌されるからです。そのホルモンが脳に到達するとダメージを与え、うつ病や認知症の発症の原因になると言われています。肥満はうつ病のリスクを1.5倍も高めるので、注意しなければなりません。
対応策
間食をするのならば時間を決めましょう。もしどうしても間食を抑えられないならば、ナッツ類など食物繊維を多く含んだりカロリーの低いものを選んで食べることをおすすめします。またやわらかいものよりも咀嚼がしっかりしている間食の方が眠気覚ましにも効果があるとされています。
ちなみに、アメリカの大学で行われた研究によると、ナッツは肥満の危険度を46%も下げるとも報告があります。ナッツを食べるときも、よく噛むようにすると、さらに腹持ちが良くなります。
まとめ
この記事ではテレワークを行うなかで分かってきたストレスと、その対応策をいくつかご紹介しました。「テレワークうつ」という言葉があるように、テレワークによるストレスも決して放置してよいものではありません。しっかりセルフケアを行いつつ、限界を迎える前に相談をしましょう。
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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など