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2020.04.232023.06.20

コロナ離婚や夫婦の危機に結びつきやすい【3つの場面と対策】について解説

コロナ離婚や夫婦の危機に関する、3つのシチュエーションについての対処法を解説

新型コロナ感染症(COVID-19)の影響で自宅にいることが多いと、夫婦間の考え方の違いが、互いの不満として大きくなりやすくなります。またその状況が顕著に出てしまうと、喧嘩や離婚といった状況を招いてしまう事も珍しくはありません。

新型コロナの影響下では、自分の思い通りにならない状況・制限されているストレスといった環境が、既に大きなストレス源となっているために、夫婦という近しい間柄での不満爆発や衝突・喧嘩といった状況をそもそも招きやすい状況であると思います。

 

ここでは、コロナ感染症に関連する夫婦のストレスやすれ違い、夫婦喧嘩や離婚のきっかけにもなりやすい、3つのシーンとパターンに関して解説をしております。

このような夫婦や家庭でのストレスは、不安症うつ病不眠症自律神経失調症といったメンタルの不調を招きやすくなってしまう点にも注意が必要です

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【不満のきっかけ①】家にいる時間が多くなったのに、夫は手伝ってくれない

新型コロナの影響で、テレワークや自宅待機、更には外出規制などの影響のために、そもそも自宅で過ごす時間は圧倒的に増えているのではないかと思います。

 

そのような状況の中でもあるにも関わらず、家事や育児が妻主体である状況が継続してしまうと、一緒に家庭内で過ごしているのにどうして?といった不安の気持ちや、いつも怒られてばっかり…といった不満の気持ちがお互いに生じやすくなってしまいます。(参照ここまり記事

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女性側の想い

一緒に家庭で過ごしている時間が長くなっているにも関わらず、家事や育児の負担が妻側に大きくなってしまうと、「どうして手伝ってくれないのか」「何もしてくれない」といった不満につながります。

また、夫の「手伝う」といった姿勢に対して、「私が中心的にやることを当然と思っているから“手伝う”という事なの?」といったように不満の気持ちも大きくなりやすくなってしまうのです。

男性側の想い

一方で、家事や育児に協力しても「すぐに怒られる」「手伝っても妻から駄目出しされて辛い」といった想いを抱いて、協力や手伝う事をやめてしまう事も多いようです。

また、いつもイライラしてばっかりといったように、妻に対する不満も募らせていってしまいます。

 

このような、お互いのすれ違いが、普段であれば大きく爆発することがなかったにも関わらず、コロナのような自粛・外出規制の期間では家庭内以外に逃げ場所がなく、相手と衝突を招きやすいです。

このような衝突が状況によっては離婚を招いてしまったりすることも多く、注意が必要です。

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【コロナ離婚を起こさない様にするための対策とは~夫側~】

特に、家事や育児に関する役割は、夫の協力で妻の負担やストレスは大きく軽減されます。またその協力は具体的な助けだけではなく、「いつもありがとう」といった感謝やねぎらいだけではなく、「〇〇してくれて嬉しい」といった「ポジティブな感情の共有」を妻と行うことで、妻としての負担やストレスが幾分和らぐことも多いのです。

【コロナ離婚を起こさない為の対策とは~妻側~】

【夫として妻に協力してくれようと一歩を踏み出している相手の姿】は、もしかしたらコロナ以前と比べたら、夫としての大きな歩み寄りなのかもしれません。そのような時には、「〇〇してくれてありがとう」「いつもよりも〇〇になったよ」といった感謝やねぎらいの言葉をちゃんと表す事も大切です。

「片付けてほしい」といった伝え方も、「床のおもちゃを片付けてほしい」のようなもっと具体的な表現にすることで、夫側も妻との家事分担をもっと円滑に運びやすくなります。

 

夫婦で一緒に過ごすことが多くなり、家庭という環境を二人で築いていくためには、あうんの呼吸を目指すのではなく、ちゃんと気持ちや感謝を伝えるコミュニケーションを敢えてしっかりととることが重要になると考えます(記事ここまり参照)。

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【不満のきっかけ②】感染対策や、感染に関する危機管理に非協力的

手洗いの回数が極端に少ない、あるいはしない。外出自粛に関係なく頻繁に出歩く。マスクの着用が不十分といった行動など、夫婦間の対策や互いの想いの違いが大きくなって不満を誘発することがあります。

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【どうして違いが生まれるのか】女性は感覚から行動を選択することも多い

特に、新型コロナに関する対策や情報は連日のように流れ続けています。そのため、新型コロナにかかってしまったらという「不安」、多くの人たちが行っている感染対策を実施することへの「安心」、家族がかかってしまわないように、また自分から家族へコロナを感染させないようにといった「配慮」といった考えが働きやすい状況である為に、感染対策やその取り組みの重要性を感じた行動をとります。

 

【どうして違いが生まれるのか】男性は理屈から行動を選択することも多い

一方で男性は理屈や理由がはっきりしていない対策や行動にはあまり積極的ではなくなってしまう事があります。そのため、「見えない相手に対策する必要性がはっきりしない」「自分はかからない」「家なら大丈夫」といった想いがあると、感染対策としての妻の行動や取り組みを結果として【軽視】してしまうような行動をとってしまう事もあるのです。

 

【感染対策とは言えども…】実は夫婦の感情のすれ違いにつながりやすい

男女の行動の選択の違いから生まれる、このような感染対策への対応の違いが、すぐに大きな夫婦の不和につながるというよりも、まずは感情のすれ違いにつながりやすくなります。

「どうしてちゃんとできないの?」「また、ガミガミ言われてうんざり」といった互いへの不満や反発につながって、「あの人とは、あわない」といった結論を誘発させやすくなってしまいます。

【非難されているように感じると…】反発や否定の感情が簡単に生まれる

マスクや手洗い行為自体は、大したことではないにも関わらず、何度も繰り返し指摘されたり、非難され・怒られることは、相手の「反発」を招き、【(妻から)そこまで言われるならやらない】→【(夫は)そんなこともしないのか】といった非難の悪循環を招いて、結果として離婚になってしまう事もあるのです。

 

このような悪循環を断つためには、夫婦ともに行動を選択する考え方が違うのだという双方の理解は重要ですし、夫婦間では相手の行動を「命令して従事させよう」とするのではなく、「〇〇が新型コロナに感染したら心配だし困る」といったように、あくまでも「相手」の立場を配慮した伝え方が夫婦間では重要だと思います。

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【不満のきっかけ③】子どものしつけに口を出すようになり、妻のせいにする

コロナの影響で、自宅で過ごすことが多くなると、普段以上に子供と夫(父親)が接する機会も増えるのではないでしょうか?そのような時、普段なら目にしなかった子供の態度や振る舞いに対して、夫が注意をしたりすることもあるかもしれません。

そこで子供が思うような反応や態度を示さないと、「お前(妻)の育て方が悪い」といったように、妻のこれまでの苦労を否定したり非難することを行ってしまい、妻として夫との信頼関係が築けず「つらい」といった相談も新型コロナの影響で多くなっているように思います。

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【考え方の違い…】経験の差から生まれる、考え方の違いは実は埋めにくい…

【子育ては上手くいかないことが多い】という事をこれまでの経験上妻は理解をしていることが多いのですが、【しつけは親の責任】といった考えを中心的に妻を非難してしまうと、「何も分かっていないくせに」「これまでの苦労を全否定された」「本当にそうかもしれない…私はダメな母親だ」といった想いを妻側に抱かせてしまいます。

【差や違いを指摘するのではなく…】今置かれている状況やこれから何ができるかという点に目を向けてみる

過去への追求や避難、さらには責任転嫁をするのではなく、「今、これから何ができるか」「子との関わりは今からでも積み重ねていける」、また「成長の過程での子供の振舞いなのではないか」といった考えだけではなく、「子供も大人と一緒で、このコロナの状況でストレスを感じているのでは?」といった、夫婦間での子育てに関する【前向き】なコミュニケーションはお互いのすれ違いを緩和させやすくなります。

【夫婦だからこそ大切にしたいこと…】感謝や共感の気持ちや言葉

「子育てって、大変だね」「いつもありがとう」「一緒に子供の事を考えてくれてありがとう」といった夫婦間での『感謝』や『共感』が生まれ、互いにそれをしっかりと伝えあう事は、夫婦や家族で過ごすことが増えた、今だからこそ大切なことなのかもしれません。

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最後に

新型コロナ感染症の影響で、家庭で過ごすことが増えており、家族内でのストレスやすれ違いが大きくなってしまっている方も多いと思います。

家庭でのストレスは容易に心の不調にもつながりやすく、夫婦のストレスやすれ違い等、人間関係が与える影響は大きいです。

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【新型コロナ感染症に関連した情報はこちらから】

新型コロナ感染症に特徴的な「不安やうつ」について

「コロナストレス・コロナうつ」でイライラ・憂鬱に負けない対処法

マスクの販売について/飛沫感染予防を更に強化するために

当院での新型コロナ感染症に対する対策についてご紹介(栄院Ver)

医療機関の受診がご心配な方へ。新型コロナ感染症に対する当院の予防対策とは

夫婦の不満に関する相談はこちらにも記載をしています

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野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 院長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など