クリニックブログ

2020.04.242023.06.17

家でじっとしているのに、なぜコロナによる疲労感がたまるの?コロナ疲れのメカニズムとは?

家から出かけず過ごしているのに、なぜかコロナによる疲労感(コロナ疲れ)を感じる…。

「医師や看護師がコロナ感染と隣り合わせで働いているし…普段よりも自宅で過ごす時間が長いのに…コロナ疲れなんて失礼だ」と自分や周りを責めている人はいませんか?それは誤った考え方です。コロナ疲れを感じるのは自然なことであり、そのメカニズムを知ることはコロナ疲れを癒す第一歩となります。

この記事では、なぜ自宅でじっとしているだけでもコロナ疲れを起こすのかお話しします。

家にずっといるのに、なぜコロナ疲れするのか?

満員電車で通勤して疲れる。仕事をして疲れる…。でも、5日ほど働けば必ず休みはやってきます。休みの日にショッピングしたり、美味しいものを食べに行ってリフレッシュすることで、私たちは日頃の疲れを解消します。

しかし、そんな私たちの毎日は唐突に終わりを迎えました。

ツイッターでつぶやかれた「疲」の文字は1日1万回以上

読売新聞で4月11日に衝撃的なニュースが発表されました。「「疲」「ストレス」「鬱」つぶやき急増…コロナ疲れ鮮明に」という記事をご覧になりましたか?

東京大の鳥海不二夫准教授が1月~4月の間でつぶやかれたツイッターのうち、「疲」や「ストレス」、「鬱」という文字がどのくらいあるか調べた結果が発表されています。

もともと、「疲」という文字を含んだツィートは1月では1日に2000件もつぶやかれません。しかし、2月にコロナニュースが増えるにつれて、徐々に「疲」を含んだツィートは増えていきました。

そして2月27日、すなわち全国で一斉休校が発表された日には一気に8,000件近くもツィートが増えました。

その後、「疲」を含んだツィートは少しは減りました。でも、3月25日の小池百合子東京都知事による緊急記者会見で一気に1万件に。その後も、有名芸能人である志村けんさんの死去や安倍首相による緊急事態宣言などの影響もあり、常に1万件を超え続けています。

冒頭で述べたように、「医師や看護師と比べると、家でじっとしている自分はコロナ疲れなんて言っていられない」と考えてしまう人や「人と比べて」疲れてしまう人も少なくはないと思います。そのため、1万件の「疲」ツィートはあくまでも氷山の一角にすぎないのかもしれません。

じっと耐えることにだってエネルギーは必要

新型コロナウィルス(COVID-19)が蔓延するいま、私たちに求められる行動はとにかく「外出しない」や「人と接しない」です。多くの会社でテレワークが進められ、自宅勤務の人も増えてきたと思います。朝早くから満員電車に乗って通勤することに比べたら疲れないはずなのに、なんで疲れるんだろう…。そう不思議に思う人も少なくないでしょう。

コロナ疲れを説明する考え方のひとつに、「自己制御理論」の考え方があります

自己制御とは、目標のために自分の行動を律することです。

例えば、ダイエットのために甘いものを我慢したり、運動をしたりしますよね。こういった行動が自己制御にあたります。

しかし、自己制御をするためにはエネルギーが必要です。ダイエット中であったとしても、生理前のように具合が悪い時などは「今日ぐらいいいよね…」とお菓子を我慢できない人も多いと思います。

そんなふうに、たとえ目標があったとしても我慢し続けて自分の行動を律することができないようになっています。とはいえ、これは別にダメな人間というわけではありません。

自分の制御を解放できる機会が少ないので、人はコロナストレスやコロナ疲労を感じてしまう

自己制御のエネルギーが有限というのは、ブレーキとして必要な構造です。ブレーキが壊れていて、自己制御のエネルギーがないなかで頑張り続けていたら、無理が生じ、病気と結びついてしまいます。

たまには自分を甘やかしてエネルギーを補充しながら頑張ることで、人は目標を達成していきます。

しかし、今回のコロナウィルスの場合、いつ終わるのか分かりません。いつまでもエネルギーを補充できないので、家でじっとしている私たちはコロナ疲れを起こしてしまっているのです。

エネルギーの回復方法

エネルギーの回復方法は至ってシンプルです。

休憩や睡眠、音楽を聴いたり、ゆったりと美味しいものを食べるなど好きなことを楽しむことです。ただ、コロナの不安が常にまとわりついている今、本当にリラックスして休憩や睡眠をとるというのは難しいかもしれません。エネルギーを回復させるのなら、コロナを忘れるぐらい没頭できる楽しいことあるいは、集中できるものを探すのをおすすめします。

特におすすめなのが、手芸やペーパークラフト、アクセサリー作り、料理などをはじめとした手・指を動かす作業です。手を動かすことは脳を活性化させ、うつ病の回復に役立つといわれるほどです。近々やってくる母の日のプレゼントを作ってみるのもよいですね。

ただし、パソコンやスマホ、タブレットでのゲームで指を動かすのは、実は脳にとっても常に情報処理をしなければならない疲労を継続している状態なので、エネルギー回復にはあまり効果がない場合も多いので、注意してください。一方で、音楽や映画鑑賞などはリラックス効果やエネルギーの回復にも役立ちます。

まとめ

私たちが疲れる原因は、外出や人に会うのを「我慢」しなくてはいけないからです。エネルギーを回復する手段として特におすすめなのが、手・指を動かす作業です。
ただし、夜なかなか眠れない、どんなことにも興味や関心を持てない、食欲が落ちてきた(あるいは食べ過ぎてしまう)などの状態に陥っていたら、もしかしたらコロナ疲れがコロナうつに悪化している恐れがあります。

その場合は、心療内科クリニックなどの専門機関への受診・相談もおすすめします。

ひだまりこころクリニック栄院は名古屋市栄の心療内科・精神科・メンタルクリニックです。

土曜日や日曜日も含めて毎日初診を受付しております。ゴールデンウィークも休まず診療をいたしておりますので、お気軽にご相談くださいませ。

名古屋市栄のひだまりこころクリニック栄院

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野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 院長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など