クリニックブログ

2020.05.142024.04.01

自粛解除後(アフターコロナ)に夫婦喧嘩の仲直りをするには?

女性向け総合メディアのLip Popが2020年4月27に行った調査では、約4割の人がコロナ騒動で離婚を考えたことがあるという衝撃的な結果が発表されました。緊急事態宣言の緊迫感のなかでは多くの人がストレスでトゲトゲしくなっていたため、夫婦喧嘩も多くなったと思います。しかしアフターコロナで家庭内の環境が落ち着くと、喧嘩をしたことを後悔し、今のトゲトゲした夫婦関係に気まずさを覚える人も多いのではないでしょうか。

この記事では、なぜ緊急事態宣言のときには夫婦が喧嘩をしやすく、そして仲直りするためにはどうすればよいのか、脳科学や進化論に則って男性目線と女性目線のそれぞれからお話しします。

夫婦喧嘩、自粛解除後の対応についてひだまりこころクリニック栄院が解説

緊急事態宣言のときに喧嘩した理由の背景には、男女脳の違いがある

コロナ離婚を考えたきっかけとして、以下のケースなどがありました。

(女性側の意見の例)夫はテレワークで、妻は外で仕事。夫はテレワークだから仕事を早く切り上げることができるにもかかわらず、夕ご飯の買い出しどころか昼食の片付けすらしてくれないのが妻にとってはすごく不満。

(男性側の意見の例)夫は外で仕事、妻はパートの休業中。夫が仕事から疲れて帰ってきたときに、妻は「アルコール消毒して、それからシャワーを浴びてきて!」と夫を汚いもののように扱った。夫は「自分をウィルスのように否定するな!」と苛立ちを隠せない。

コロナ騒動での夫婦喧嘩のベースにあるのは、「感染ストレスや我慢しているストレス」も

今回の夫婦喧嘩のベースにあるのは、コロナ騒動によるストレスです。いつコロナウィルスに感染するか分からないストレス、自粛で我慢し続けなければならないストレスなど、常にみんなストレスを抱えています。そこにちょっとしたストレスが新たに追加されることによってストレスがあふれてしまい、夫婦喧嘩にまで発展してしまったのです。

男女で脳の構造が違うので、考え方も違ってくる

脳科学や進化論的に見ると男性と女性では考え方が違うというのが、喧嘩の背景にあります。

脳科学でいえば、例えば右脳と左脳を繋いでいる脳梁は女性のほうが太いです。このことから、女性は複数の情報を行き来させることが得意でマルチタスクに向いている、男性はひとつのことに専念するのに向いているためシングルタスクに向いているという男女差がの傾向があるともされています。

男女脳の違いについての説明をおこなっております

男女の行動の妥当性の差は?

またこのことは、女性が行動の妥当性を「感情面」から選択しやすい点や、男性は行動の妥当性を「理屈や理性」から選択しやすいという違いにも表れていると思います。

そのため、女性は、要望や不安などの感情をを抱いていると、その感情に基づいて自分の行動を選択したり、夫の行動をそのような感情面から意味づけてしまう点に対し、男性はその場の理性や理屈から行動を起こしてしまうので、”女性の不満が大きくなる”、”妻がイライラしていて嫌だと男性が思ってしまう”といったすれ違いも起きやすいのです。

他にも悩み相談を受けた時、男性はどうすれば悩みが解決するかと問題解決的に考えますが、女性は苦しかったという思いに共感することや慰めることなど感情面からの解決も重視して考えるなどの、違いがあります。

コロナに関する「不安」の捉え方も違う

コロナ不安という感情にも、行動面の男女差があります。

昨今のコロナに対する「不安」でいうと、「感染してしまうかもしれない」「感染してしまったら大変」という不安感情を受けて、女性は「感染対策をしたり」「できる対策をやってみる」という行動を選択しやすいです。

一方で、男性はそのような「感染してしまうかもしれない」「感染してしまったら大変」といった不安感情に対しては、「かならずしも自分がかかるとは限らない」「対策したとしても感染しないとはいえない」と理論的な判断をして行動をとってしまう事も多く、ウィルスを家に持ち込まないための取り組みとしての「手洗いやマスク・消毒」ということについては、家族を守る女性のほうが男性よりも厳しく考えて行動をとってしまうのは自然かもしれません。

コロナストレスに関連した夫婦喧嘩について解説

仲直りするための謝罪のコツ

話をするきっかけを作ろう

コロナ騒動での夫婦喧嘩は一概にどちらが悪いということはできません。

でも、仲直りするにはまずは形式上であっても、ちゃんと話をするきっかけが大切。まずはどちらかが謝ったり、そうでなくても相手に話を振っていく必要があります。

しかし謝ると一言でいっても、謝り方を間違えると火に油を注ぐ恐れがあります。夫から妻へ、あるいは妻から夫への謝り方のコツをご紹介します。

夫から妻へ謝るコツ

女性は問題解決よりも、困っていた、大変だったという感情への共感を求めます。

最初に紹介した妻が外から働いて帰っても夫は昼食の食器の片付けもしなかったという事例でいうと、確かに今後は夫が家事を協力してくれるのもありがたいです。しかし、まずは家事を妻に押し付けてしまっていた労いをするほうが大事となります。

辛かった想いを共有したり、妻へ共感を示すことは、妻の不満を少しづつ和らげ、そこから話をするきっかけにもつながりやすいです。

妻から夫へ謝るコツ

男性は、喧嘩しているという状態をどのように解決したらよいのか、理論的に考えて解決を求めていることも多いです。互いの感情面の否定や、互いの理屈の否定は逆効果です。

夫の言い分を認めつつ、「あなたが、もし感染してしまうと心配だから」「夫が感染してしまうと、つらい思いをして大変だから」といった夫の考えに配慮しつつ、「夫」への健康や存在の配慮を伝えることは大切だと思います。

心療内科ひだまりこころクリニック栄院へコロナストレスに関連したカウンセリング治療も相談ください

まとめ

コロナウィルスの脅威が少し和らいでストレスが軽くなった今こそ、夫婦喧嘩で謝るチャンスでもあります。

男性と女性とでは受け入れやすい謝り方が違います。夫から妻へ謝罪する場合は妻の感情に寄り添う形で、妻から夫へ謝罪する場合は夫の言い分・考えを認めつつ、夫の存在や体調に配慮する話し方をおすすめします。

なお、男性でも男性脳よりも女性脳に近い考え方をする方、女性でも女性脳よりも男性脳に近い考え方をする方もいます。ここでの謝罪の仕方をベースにし、相手に合うように適宜合わせるのが大切です。

名古屋市栄のひだまりこころクリニック栄院

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など