【パニック発作は何回目で病院相談している?】パニック発作が初めて起きたとき
【受診のきっかけとは?】パニック発作が初めて起きたとき
パニック発作とは
パニック発作は、息切れ・のどのつまり・動悸といった呼吸器や心臓などの胸部症状を伴うことも多く、現実感の喪失といった気が遠くなる感じを感じられる方も多くいらっしゃいます。
【パニック発作は強い症状/突然起きる】不安や恐怖に繋がりやすい
パニック発作は、突如として訪れる強い症状です。そして初めてパニック発作を体感した人多くの方が、恐怖や不安を感じます。
しかし、その不安や恐怖の気持ちを、初期はどのように整理するかは「人によって多少異なる」ように思います。
理由としては以下に紹介をさせていただきます。
【予期せぬ事態】深刻に考えないようにしようという心理が「最初は」働きやすい
◆「あれは何だったの…怖い!どこか体に異変があるのでは?」
◆「え?何、気のせい?もうちょっと様子見てみようかな…」
そのような、予期せぬ事態で緊張や不安が強くなった時、最初は”なんとか対処しよう”とする心理だけではなく、”深刻に考えすぎないようにしよう”という心理や防御が働く傾向は、パニック症に関わらず不安や緊張の場面では出やすい傾向でもあります。
そして実際にパニック発作も同様に、初めて発作が起きた時、大変戸惑って不安と恐怖が強く起きる方と、パニック発作の初回あるいは2回目までは、発作が起きても最初は気にも留めない、あるいは気に留めないように過ごしていた人も多くいるという報告があります。
しかし、異変が繰り返されてより一層、不安になる
しかし、パニック発作は繰り返されることも特徴でもあります。
2回目以降継続すると、「これは何だろう?」「また起きたらどうしよう?」といった心配が強くなってくる
あれは何だったのだろう?とは思っても、「まぁ偶然だったのかな?」「体調がたまたま悪かったのかな?」という感情が最初は働いて、パニック発作の初回や2回目は深刻に考えないようにという心理が働きやすいことは紹介をしました。
精神科や心療内科の受診もこの時点での相談が多くなります
しかし、2回目以降にパニック発作が継続すると、「これは何?」「また起きたらどうしよう?」「怖い!!」という感情が急激に強くなり、心療内科や精神科などの病院に受診をされる方が急に多くなります。また、重大な症状の存在を、「家族」や「友人」にどう伝えたら良いのか、どう分かってもらえるのかと思案したり、多い心配や懸念も多岐にわたるようになってきてしまいます。
パニック症の診断基準にも
また、2回以上のパニック発作の存在は「繰り返していること」を示しており、パニック症の診断にも重要な所見となりえます
【パニック症では 】抑うつ症状も生じやすい状況に
そして、周囲に相談して分かってもらうこと、症状が繰り返されることへの懸念、更には発作が起きてしまうかもしれないことを考えて行動を制限したり変容させてしまっていることへの後悔の念があり、緊張感や抑うつ症状が継続してしまうことがあるのです。
実際にパニック症では、うつ病や抑うつ症状の合併は高く、パニック症の半分以上の方にうつ病と抑うつを合併しているとも言われています。
さいごに
パニック発作が初めて起きた時について記載と紹介をしました。
パニック発作が初めて起きた時には強烈な症状の為に、強い恐怖を抱く人もいれば、深刻に考えないように初回や2回目はやり過ごす方も多くいらっしゃるという報告について紹介をしました。
しかし、パニック発作は繰り返されるごとに、恐怖や緊張感が強くなり、また起きるのではないかという不安や抑うつ症状を合併しやすく、うつ病などの合併率も決して低くはありません。
お一人で悩んだり抱え込んだりしすぎずに、心療内科,精神科,メンタルクリニックへお気軽にご相談くださいませ。
ひだまりこころクリニック栄院では、パニック症やうつ病、不安症の診断治療も行っております。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など