【どんな年齢に多いの?】パニック症の発症と慢性化について
パニック症の発症について
パニック症の発症は、多くは、10代から20~30代に発症することが多いとされていますが、40代以降の発症も認められます。
そして、パニック症として特徴的なパニック発作は、それぞれの人によって経過や回数も異なります。パニック発作の回数は、1日数回から1年数回まで幅広く、慢性的な経過をたどることがパニック症の特徴です。
なお、パニック症のきっかけは、離別などのイベントの関与も示唆されていますが、心理社会的ストレス因子としてはっきりしない場合が多いのも事実なのです。
【パニック発作の頻度】パニック症の慢性化について
パニック症の特徴であるパニック発作は1日数回から年に数回と発作の回数には非常に幅が大きいことは先にも述べましたが、そのことはつまりは慢性経過の長さや、長期間無症状であるにも関わらずある時ふとした瞬間に、パニック発作が久しぶりに起きてしまうというという状況があるということでもあります。
一説には、患者さんの30~40%の方は、長期間無症状であるとも報告があり、50%の方が症状が比較的軽い状態で経過しているという報告もあります。
慢性経過することで、パニック発作の恐怖がより高まっていきやすい
慢性経過しているとはいえ、パニック発作は、死を予感させるほど強烈な症状であるために、パニック発作の頻度に関わらず、「またあの発作が起きるのではないか?」という不安と緊張感はとても強く、患者さんにとってとても重大な心配事として継続してしまいます。
慢性的な緊張や不安は生活のスタイルも変化させてしまう
慢性的な心配や緊張が続くと、その不快な感情を緩和させる、あるいはそのような感情がこれ以上強くならないように、
行動に制限をかけ、心配や緊張が予想される状況を避ける行動を選択するようになってしまいます。
これらの回避行動のために、自宅から外出ができない、人の多い場所には行けない、公共交通機関などの乗り物に乗れないなどの生活の支障が出てしまうのです。
パニック症はうつ病などの合併も多いので注意が必要
パニック症には、メンタルの不調の合併も多いとされています。一説には、パニック症の半分の方にうつ病の合併も認められるという報告もあり、症状をより複雑にさせてしまっていることも少なくありません。
さいごに
パニック症にはパニック発作が特徴的な症状でもあります。
しかし、パニック症の症状について伝えてもなかなか深刻さを分かってもらえず、誰にも相談できずにいらっしゃる方もおおく、我慢をしたり、不安や緊張が高い場所を避けて過ごしてしまうことも少なくありません。
パニック症かもと心配されている方は、お一人で抱え込まず、心療内科・精神科・メンタルクリニックなどの医療機関へご相談もお勧めいたします。お気軽にご相談くださいませ。「パニック症」に関するブログはこちら
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など