【息苦しさ・動悸の症状】パニック症と間違えやすい身体疾患について
【苦しさや動悸の症状】パニック症とパニック発作について
パニック症では、パニック発作という特徴的な症状があります。
パニック発作の中でも、特に呼吸症状や窒息感・動悸や胸部の不快感を訴えられる方は非常に多く、そしてその症状は致命的な症状なのではないか?と不安になり、緊張感や不安感を頂きやすく、抑うつや生活への支障もきたしてしまいます。
【どんな人が発症しやすい?】パニック症やパニック発作の発症しやすい年齢とは
パニック障害・パニック症の発症しやすい年齢は、10代から20~30代の方が多いと言われております。つまりはこのようにあ比較的若年であることもあり、時としてパニック症の特徴的なパニック発作が身体疾患に関連して出現しているように見えてしまっていることもあります。
【急峻な症状の出現+消退】パニック発作の特徴について
パニック発作は、慢性的な動機や息切れを指すものではありません。急峻に発症する症状と5~10分ほどで到達するピークとその後の緩徐な改善という一連の発作を繰り返すということがパニック発作の特徴でもあります。
つまりは、ずっとドキドキしているのではなく、ある程度は症状の発言と消退の起点が分かり易いという点もあります。
【若い方の動悸や息切れに注意】パニック発作と身体疾患の鑑別について
パニック発作の特徴については先にも述べました。パニック発作と身体疾患の鑑別疾患としてよく挙げられるのは、内分泌関連疾患であることが多いです。甲状腺機能亢進症・褐色細胞腫・副甲状腺機能低下症さらには、インスリノーマのようなインスリン関連疾患などが挙げられます。これらの疾患は一般の採血では見つかりづらく、厳格な負荷試験や画像診断検査などを併用するなどが診断に必要になることもあります。
また不整脈や慢性呼吸器疾患などの慢性疾患が、日々の生活への不安や緊張を高めパニック症との症状との区別が困難となってしまっていることも少なくありません。
きっかけや発作の誘発点がハッキリしすぎている時も気が付くきっかけになることも
時に、パニック発作や呼吸器・胸部症状がどのような状況で起きやすいのか、という点はとても大切でもあります。経過を追っていくと、きっかけや発作の誘発点がハッキリしていくこともあるからです。
空腹時に起きる動悸や冷汗、運動後の動悸がなかなか戻らない、運動中のめまいや失神感、これらの様子が繰り返されるときには、内科的な疾患の関与も否定はしきれない時があります。
もちろんパニック発作は予期せず起き得ますので、先に述べたすべての起点が身体疾患を伴うものと決定づけけるには乏しいですが、疑うきっかけにはなるからです。
さいごに
今回は、パニック症と身体疾患について解説を行いました。パニック症やパニック発作の特徴について紹介をしながら、発作や症状の経過や誘発点の注意点も記載をしました。
ですが、いずれも自己判断をしすぎてしまうことは禁物です。医療機関へ相談したり、時としては心療内科,精神科,メンタルクリニックだけではなく、内科への受診や紹介も求められることもありますので冷静な対応が大切です。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など