クリニックブログ

2020.11.132024.04.01

男性更年期障害のセルフケアのキーワードはテストステロン!

男性の更年期障害の原因は、テストステロンの減少と言われています

男性更年期障害の症状は、イライラや抑うつ症状、不眠や集中力の低下、だるさは皮膚の張りの低下や、ほてりなど様々です。

男性更年期の辛い症状も、テストステロンを増やすことができれば、更年期障害の症状を軽くすることができます。とはいえ、テストステロンとは何か、またどうすれば増やすことができるかを知っていますか?

この記事では、テストステロンとは何かや、テストステロンを増やす方法などについてお話しします。

テストステロンって何?

テストステロンとは男性ホルモンのことです。その原料はコレストロールであり、ほどんとは精巣のなかで作られています。

テストステロンの働きは、いわゆる男らしい体を作る(筋肉、骨格、ヒゲなど)機能や、生殖機能です。他にも、男性の更年期障害でも抑うつ的な気分になったり、記憶力が低下する症状が出るように、精神の安定や記憶力・集中力ともかかわってきます。

テストステロンが減少する原因

テストステロンが減少する原因として、以下の4個があります。

【テストステロンの減少する原因①】加齢

テストステロンが分泌されるピークは意外と早く、20歳代です。その後は年を取るにつれて減っていきます。

【テストステロンの減少する原因②】食生活

コレストロールがテストステロンの原料という通り、たんぱく質の肉や魚、卵などを食べない菜食主義の人の場合、テストステロンを作る機能が低いです。また当たり前ですが、食生活の乱れや偏食はテストステロンを減少させてしまいます。

ダイエットとして糖質制限に走る人もいますが、過剰な取り組みは問題です。後述する通り筋トレをするとテストステロンは増えますが、エネルギーの糖質がないと、そもそも分泌量が減ってしまいます。

【テストステロンの減少する原因③】肥満

肥満もテストステロンの減少をもたらします。また、肥満は更年期障害だけではなく動脈硬化や糖尿病、高血圧とも結びつきやすく、さらには心血管疾患や腎機能の低下などにもつながる恐れがあります。そのため、健康寿命に非常に深刻な影響を及ぼすのです。

【テストステロンの減少する原因④】ストレス

30歳代以降テストステロンの分泌量は減っていきますが、そこにストレスが加わることで分泌量は更に減ります。特に、40~60歳代の職場で非常に強い責任を担っている人は注意が必要と言えるかもしれません。

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テストステロンを増やす方法

テストステロンを増やす方法として、食生活や運動習慣の見直しが大切です。

テストステロンを増やす食事

テストステロンを増やす食事としてはバランスの良い食事と言われており、特に一番に思い浮かぶのは肉類や卵、魚といった良質なたんぱく質も重要です。

また意外と思われるかもしれませんが、野菜のなかでも玉ねぎに含まれる硫黄化合物のようにテストステロンを増やす効果があると指摘されるものもあります。また、にんにくはたんぱく質と一緒に摂ることで、テストステロンを増強させる作用があるとも考えられていて、にんにくや玉ねぎをたっぷり使ったカツオのたたきや、ガーリックステーキのように、いわゆる「精の付く食事」というのはまさにテストステロンを増やす点でも、バランスの良い食事と言えるでしょう。

テストステロンを増やす運動

運動と性ホルモンの関係も深いものです。

テストステロンは筋肉を大きくさせますが、逆に筋トレをすることでテストステロンを増やすことができます。特におすすめなのがスクワットです。体の中で最も大きな筋肉「太もも」を鍛えることができるためです。スクワット10回を3セット毎日続けて行うと良いでしょう。

また筋トレ以外にも、仲間と楽しみながら競争するスポーツを行うのも、テストステロンを増やすことに繋がります。スポーツはテニスやゴルフなど、なんでも構いません。

とはいえ、これまでインドア派な方がいきなり筋トレやスポーツをするのはなかなか大変だと思います。急激な運動を目的とせず、まずはストレッチから始めることをおすすめします。

胸を張って肩甲骨を寄せると、テストステロンが分泌されると言われています。いきなりスポーツをするのはストレスにもなりますので、まずはストレッチのように簡単なものからはじめるのもよいですね。

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テストステロンを増やしてもはげない

「男性ホルモンが多いとはげそうで心配…」という人もいると思います。しかし、テストステロンは脱毛物質ではありません。男性がはげる原因としては、以下の3つなどがあります。

・遺伝

・生活習慣(食生活、喫煙、過剰な飲酒、頭皮の洗浄)

・ストレス

テストステロンは体内の5α還元酵素の働きでジヒドロテストステロンになります。このジヒドロテストステロンには育毛を抑える働きがあります。とはいえ、5α還元酵素の働きには個人差があるので、実質的には遺伝とほぼ同じと考えてよいでしょう。そのため、テストステロンを増やしてもはげる心配はしなくて大丈夫だと思います。

まとめ

テストステロンのような性ホルモンの影響で、抑うつ症状や、集中力の低下、倦怠感などの症状を呈してしまう事があります。

テストステロンは30歳代以降で減少していきますが、食生活や運動習慣を見直すことで増やすことも可能です。テストステロンを増やすことは健康的な生活にも繋がります。無理をするとストレスとなってテストステロンを減らしてしまうので、この記事で紹介した習慣を無理のない範囲でぜひ日常生活に取り入れてみてください。

引用文献

Jastrzębska, S. et al. (2014). Relationship between sexual function, body mass index and levels of sex steroid hormones in young men. Endokrynologia Polska, 65(3), 203-209.

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など