HSS型HSPとHSS型HSEについて
HSEとは
HSPとは「ハイリーセンシティブパーソン」という、『繊細さ・敏感さ・感受性の豊かさ』などを特徴とした気質と性格を指しています。
HSPは、こちらのブログでも記載したように、心理学者アーロン博士により提唱され、HSPそのものは具体的な病名ではなく、気質や性格を表現した言葉となります。
HSPはDOESという4つの特徴を満たす
そしてアーロン博士は、DOESという4つの特徴を満たすことをHSPの定義としています。
DOESという4つの面とは
D:Depth of processing
熟慮したり、深くじっくりと捉えようとする
O:Overstimulated
刺激を受けやすく過敏であり、疲れやすい
E:Emotionally reactiv and Empathy
感情的で周囲から影響を受けやすく、共感力が高い
S:Sensitivity to Subtleties
感覚が鋭く、察知しやすい
などのDOESの4つの特徴がHSPでは満たすことが必要です。
HSPには、細かく分けて4つのカテゴリーがある
HSPは基本的には、『繊細さや過敏性』が基礎にあります。
そして、『繊細さや過敏性』の他に、傾向や性格を軸としてHSPを4つに分けることができます。
①狭義のHSP
・繊細さと過敏性があり
・人と接することが苦手あるいは好きではない
・変化や新しいことが苦手
が特徴です。
つまり、繊細さがあると同時に、内向的で変化することが苦手であることを、狭義のHSPと指しています。
例えば、
誰かと過ごすことや人と接することが苦手であったり、気を遣いたくない、傷つきたくないと考える為、慣れた環境で静かに一人で過ごしたりすることが好き。
②HSE:Highly Sensitive Extoversion
HSEは「Highly Sensitive Extoversion」の事であり、「繊細さと外向性」という意味になります。つまり
・繊細さや過敏性がある
・人と接する事や、社交の場が好きあるいは苦ではない
・変化や新しいことが苦手
つまり、繊細さと外交的な側面があると同時に、変化することが苦手であることをHSEと指しています。
例えば、
人と関わることや社交の場が苦手ではないが、慣れない場所や環境での取り組みや変化が苦手であるため、慣れた場所やメンバーでコツコツ取り組むことが好き。
③HSS型HSP
HSSとは「High Sensation Seeking」の事であり、「高刺激探求・探求刺激」という意味になります。つまり
・繊細さや過敏性がある
・人と接することが苦手あるいは好きではない
・新しい事や変化に対する興味が高く、すすんで追及する
つまり、繊細さがあり内向的であると同時に、新しい事や興味のあることへの取り組みに対する欲求は高いことを指しています。
例えば、
人と接することがあまり好きではないため、自分で計画して旅行やイベントなど新しい事に挑戦することが好きである。しかし、その結果、人と関わることや過敏性の為に傷つくことや思い悩むことも多い。
③HSS型HSE
HSS型HSEは「High Sensation Seeking:高刺激探求・探求刺激」と「Highly Sensitive Extoversion:外向性」です
・繊細さや過敏性がある
・人と接する事や、社交の場が好きあるいは苦ではない
・新しい事や変化に対する興味が高く、すすんで追及する
つまり、繊細さがあるが、人と接する事や、新しい事への取り組みに対する欲求が高いことを指しています。
例えば、
新しい事や挑戦、そして人との関わりが苦ではないため、様々なところでリーダーシップを発揮して取り組んでいけるが、過敏性と繊細さのために気遣いや感覚が鋭いために、疲れやすい。
さいごに
今回は、HSPの定義とその4つの分類を解説しながら、HSS型HSPとHSS型HSEについて記載をしてみました。
HSS型に共通している、新しい取り組みや変化について追及する姿は、時に周囲の人たちを驚かせたり魅了することもあるため、必然的に周囲の人達の興味や関わりをより大きく発展させやすい傾向があります。
そして、HSPの過敏性や共感性の高さの為に疲れやすく、特にHSE(外向性)とはことなる非HSE(つまり内向性)であるHSS型HSPでは、人付き合いが苦手と感じるために、人間関係に関連した疲労感は特に大きく感じるようです。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など