クリニックブログ

2020.12.112024.04.01

【ゲーム依存・インターネット依存症】孤独感や孤立が一層強まる場合には注意

ゲームやインターネットや愉しさの増加や、孤独感の低下にも繋がります

ゲームやインターネットは、いつでも気軽に触れることができる環境となりつつあり、またゲームやインターネットの内容も多様性を極めており、楽しさや悦びの増加、更には退屈さや孤独感の低下につながるといった良い面が沢山あります。

【注意】ゲームの行為がより一層、孤独感を強めたり、楽しさ以上の生活の犠牲が伴っている場合にはゲーム依存症かもしれません

【3つの変化】ゲーム・インターネットを繰り返すことで、その楽しさ、ゲーム・インターネットの意義が次第に大きく変化してくる場合もあります。

ここでは3つの変化について説明をしております。

ゲーム・インターネットをすることで、生活が乱れてしまったり、学校や通勤といった必要な社会生活が送れない

ゲーム・インターネットに没頭するあまりに、日常生活が崩れてしまう、昼夜逆転、外出が減り、自分の身なりを整えることやコミュニケーションも減ってくる

といった生活面への障害もあります。

また更に

家族や友人など現実面での人間関係から孤立してしまったり、進級できないといった面の支障から更に社会的な孤立に繋がってしまう事もあるのです。

ゲーム依存について心療内科が解説を行っております

【ネット依存】ゲーム依存の様に若年者だけではなく、ネット依存は中高年にも広がりつつあります

ネット依存もゲーム依存と同様に、生活への支障や、進学・学業への支障を来してしまう事が特徴です。また、インターネットの利用時間に関する申告を嘘をついたり、インターネット環境での有無でイライラや不安の増悪・軽快がなされるなど、生活だけはなく、感情面や社会面をも左右をしてしまうといった傾向があります。

ゲーム依存は社会的な問題としてだけではなく、医学的な疾患としても認められつつあります

ゲーム依存症は医学的にも注目されています。

最近ではICD-11(2018年)に「ゲーム障害」として診断基準が発表されました。また、DSM-5では、臨床的な注目事項として「インターネットゲーム障害」という項目で基準案をまとめています。

ICD-11 での「ゲーム障害」の診断基準とは

①ゲームに対する抑制が効かない(回数や時間、終了できない集中を終わらせることができないなどがあります)

②ゲームの優先度が高い(睡眠や食事などの大切な日常生活よりもゲームを最優先にしてしまう等)

③問題が起きていてもゲームを続けてしまう、止まらず更にエスカレートをしてしまう事も

上記の症状が12か月継続するとゲーム障害と診断が可能ですが、より重症例では短期間で診断が可能な場合もあります。実際にICD-11 が運用されるのは2022年ではありますが、現在世界的にも注目度が高い疾患であることが伺われます。

DSM-5での「インターネットゲーム障害」の基準とは

以下の9つの基準のうち、5つ以上が12か月間で起こっていることが、インターネットゲーム障害の特徴であると言われております。

【基準①】インターネットゲームを考えたり、ゲームをすることが日常の主な活動になっている

【基準②】インターネットゲームが無くなったり取り去られると、イライラや不安といった離脱症状が生じる

【基準③】インターネットゲームに費やす時間が増大している

【基準④】抑制や制限をかけようとしたが、上手くいかない

【基準⑤】インターネットゲーム以外への興味や趣味の減退

【基準⑥】心理社会的な問題を自覚していても、インターネットゲームを継続してしまう

【基準⑦】インターネットゲームの使用頻度や程度の報告について、家族や治療者等へ嘘をついてしまう事がある

【基準⑧】無気力感・不安・孤独感・罪責感を紛らわすために、インターネットゲームを使用している

【基準⑨】インターネットゲームに取り組むために、家族や友人・進級や就職などの機会を脅かしている

心療内科がゲーム依存について解説をしております

ゲーム依存・インターネット依存の方には、精神疾患の合併・併存症も多い

ゲーム依存症・インターネット依存症の方には、うつ病強迫性障害不安障害といった気分障害・不安・強迫症だけではなく、自閉症スぺクトラムやADHDといった発達障害圏が背景に存在していることもあります。

そのような精神疾患の影響で、ゲーム依存を合併してしまったり、ゲーム依存に関連してそのような精神疾患が更に増悪してしまうなどの影響もあるので注意が必要です。

また、ICD-11の「ゲーム障害」にはSNSインターネットに関する依存については明確に言及はされていません。同様に、DSM-5 でもゲームではないSNSなどのインターネット依存(俗に言うネット依存)に関する言及をはっきりとは区別しきれていないのにも注意が必要ですが、インターネット依存やスマホ依存といった場合にはゲーム依存ではなく、「その他の依存症」として疾患分類されてゆきます。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など