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2022.04.142024.04.01

身体症状症(somatic symptom disorder)とは

身体症状症(somatic symptom disorder)とは

身体症状症とはDSM-5に、身体症状を伴う、自分が重篤な病気にかかっているかもしれない、あるいはかかりつつあるという懸念が継続してしまう疾患を指しています。

従来DSM-4での心気症と、身体症状症は重複している部分があるとされています

心気症も身体症状症と同様に、身体症状病気にかかっているかもしれないという懸念ととらわれが継続してしまうことにあります。

身体症状症の原因とは

身体症状症の人は身体症状に敏感であると考えられています。また、その身体症状に対する不快や不安の閾値が低い傾向にあり、症状に対する苦痛や解釈が少し深くなってしまうことがあると考えられています。

身体症状症の合併症とは

身体症状症は他の精神疾患と併発しやすいと考えられており、うつ病パニック症などの不安症の合併を伴っている方は、身体症状症の8割の方に認められていると報告されています。

身体症状がもたらす不快や落ち込みなどの気分変動、さらには社会生活との関連は小さくないのです。

身体症状症の診断基準とは

身体症状症の診断基準A

一つ以上の身体症状があり、日常生活に支障や混乱、更には苦痛を伴っている

身体症状症の診断基準B

身体症状やそれに伴う健康に対する懸念や不安がある

例えば、自分の症状に対する深刻さについての懸念の継続、更には不安の継続、時間が過度に浪費されてしまうなど

身体症状症の診断基準C

身体症状のある状態が6か月以上継続している

身体症状症の頻度について

身体症状症の頻度についてはまだはっきりしていません。しかし、共通する概念の多いDSM-4にある心気症では、若い人が多く20~30歳が最も多いとされております。

身体症状症と病気不安症との違いとは

病気不安症とは、身体症状はないかあるいは身体症状があってもわずかであり、病気であるかもしれないという懸念や不安が主体であるのに対して、身体症状症では身体症状に対して何か重要な病気にかかっているかもしれないという懸念であるという点に違いがあります。

身体症状症の治療とは

身体症状症の方はメンタルクリニックなどの精神科・心療内科への受診に対する抵抗が大きい方が多いとされています。継続する身体症状に焦点を当てながら、症状の緩和や対症療法的なアプローチとともに、ストレスの軽減や重大な病気へつながっていないといった安心感へと結び付けられる信頼関係やコミュニケ―ションの樹立が不安や懸念のコントロールに有用となることがあります。

また、身体症状症かもしれないと感じていても、自己免疫性疾患や腫瘍随伴症候群などの重大な病気も隠れていることもありますので、自己判断は禁物です。

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