自律神経失調症の身体症状について解説をしております
自律神経失調症の身体症状について解説をしております
自律神経失調症には様々な身体症状、精神症状があるのです。ここでは、自律神経失調症の身体症状の中でも皮膚や筋肉、血管、心臓、肺、消化器(胃・腸など)、全身など、からだ全体に影響を及ぼす身体症状を紹介していきます。
皮膚における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の皮膚に現れる症状を説明しております。
皮膚における自律神経失調症の代表的な症状は、痛み、かゆみ、赤み、蕁麻疹、皮膚の感覚異常などです。これらの症状の一部はアレルギーを発症した時の皮膚症状にも似ており、自律神経失調症ではアレルギーなどの症状を悪化させてしまったり誘発させやすくしてしまう事もあるため、どうして皮膚のアレルギー反応が強く出てしまうのか、何の物質が原因で症状が誘発しているのかを知る必要があります。
同じ症状が長く続く場合や繰り返し起こる場合、皮膚症状や状況と合わせて医師に相談しましょう。また、皮膚症状は時間と共に、良くなったり悪くなったりを繰り返したりするので、皮膚の症状を写真などで納めて当時の状況を医師へ説明する資料として残しておくことも大切です。
筋肉における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の筋肉に現れる身体症状を説明します。
筋肉の代表的な自律神経失調症の症状は、筋肉痛、脱力感です。自律神経失調症で脱力感を感じてしまうと、人によっては体を動かしたりができなくなったり、起き上がったり生活をすることが難しい場合もあります。社会生活はもちろんの事、日常生活にも大きく影響をしてくるため、脱力する状況や時間帯を記録しておき、しっかりと医師に伝えて相談しましょう。
また筋肉痛は、関連痛と言って、頭痛や肩こり、また歯の痛み、腰痛等と同時に呈していることもあります。常に緊張したり不安になったりなどの影響で筋肉痛が誘発されてしまうだけではなく、筋肉痛の為に「ここぞ!」という場面で自分の能力が発揮できなくなったりなどを呈してしまう事があります。
血管における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の血管に現れる身体症状を説明します。
代表的な自律神経失調症の症状は、血圧上昇、ほてり、たちくらみ、赤み等です。血圧の上昇は、血管や心臓に大きな負荷をかけるため、定期的な血圧測定や血圧症状の経過を観察する必要があります。
また、自律神経失調症に伴う立ちくらみや血圧上昇は、場合によっては降圧剤が必要となる可能性があったり、血圧症状の出現のタイミングが不定期でお薬でのコントロールがとても難しい場合もあるために、症状や状況と合わせて医師と相談をしながら治療を進めましょう。
心臓における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の心臓に関連した症状を説明します。
代表的な心臓の自律神経失調症の症状は、動悸や鼓動の速さや強さの違和感や胸痛といった症状です。動悸や心臓の鼓動の異変、胸痛を感じたりすると、胸が苦しく感じたり、胸痛で自分は倒れてしまうのではないか、何か重大な事が起きてしまうのではないかととても強く不安や恐怖を感じてしまう症状です。
特に自律神経失調症やストレスの症状で不整脈や狭心症のような症状が誘発されることもあるために、心臓に関連する胸部症状の場合には、心電図の確認も含めて早急に医師と相談することをおすすめいたします。
肺における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の肺に関連した身体症状について説明をいたします。
代表的な肺の自律神経失調症の症状は、息苦しさや、呼吸が詰まる感じ、頻呼吸などです。呼吸とは体内の酸素と二酸化炭素のバランスを整える生命にとって重要な生理現象であるために、呼吸がしづらくなったり呼吸ができないといった状況が出現してしまうと、脳内の呼吸センサーが異常をきたして呼吸のバランスを崩してしまうのです。
このような症状は本人にとってもとても苦痛な症状であり、恐怖や不安などの感情も強く起きてしまい精神的なショックも大きいものです。肺の症状が出現してしまった時には、早めに医療機関へかかり、医師と相談することをおすすめいたします。
消化器(胃・腸など)における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の消化器(胃・腸など)における症状について説明をいたします。
代表的な自律神経失調症の消化器症状としては、下痢や便秘、嘔吐、吐き気、胃もたれ、痛みなどです。いずれの症状も、毎日症状が継続することで食事に対する不快な思いも大きくなったり、食べることがおっくうとなってしまう事で普段の食事量への影響も大きくなってしまう事もあります。
また便秘下痢が頻繁に起きることで電車や会議などの社会生活へも影響を及ぼしてしまい、思う様に生活ができないこともあります。もちろん、胃腸炎やその他の消化器炎症性疾患などの影響でもこれらの症状が出ることもありますので、自己判断なさりすぎず、医療機関などでご相談がおすすめです。
全身における自律神経失調症の症状について
自律神経失調症の全身に関連した身体症状を説明します。
まず全身の代表的な自律神経失調症の症状は、微熱、倦怠感・だるさ、疲労感、ほてり、発汗などです。どれも体が疲れていたり、ストレスを感じると現れる身体症状のため、普段の生活でこれらの症状が出ていても見落としてしまうことがあります。
しかし、このような症状が2週間以上同じ症状が続く場合には、自律神経失調症という自律神経の乱れが原因で出てきてしまう、不釣り合いな身体症状と考えられますので、医療機関を受診しましょう。また、時として、全身における不調は、イライラや抑うつ症状を併発しやすく心の不調も感じた場合には、心的症状も医師へ相談することをおすすめいたします。
自律神経失調症は身体症状がひどくなる前に医療機関を受診しましょう!
自律神経失調症が、からだの各所や全体に影響を及ぼす症状をそれぞれ紹介いたしました。実は、自律神経失調症は、複数のカラダの症状が同時に現れることが多く、その症状は常に一定ではありません。そのために、症状に振り回されて疲れ切ってしまったり自分の症状に対して落ち込みが強くなってしまったりすることも多いのが自律神経失調症です。
なかなか最初は検査や医療機関への受診も多く参ってしまう事もあるかもしれませんが、一つ一つの症状について確認しながら、その各症状に対する処置や治療を医師の診察を通して、自律神経失調症のコントロール治療を目指していく事が大切です。
ひだまりこころクリニック栄院でも自律神経失調症の治療も行っておりますので、もし、「自律神経失調症かも?」と思ったら、心療内科、メンタルクリニック、精神科のひだまりこころクリニック栄院にも、お気軽にご相談くださいませ。
〇こちらもご参考くださいませ
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など