自律神経失調症に有効なセルフケア!マインドフルネスとは
自律神経失調症のセルフケアについて解説しています
生活習慣の乱れやストレスなどが原因で様々な不快な症状が出る自律神経失調症。薬を使うことで症状を抑えることもできますが、セルフケアを併せて行うことで症状がもっと速くおさまります。この記事では自律神経失調症の臨床心理学的セルフケアについて簡単にお話します。
そもそも自律神経失調症ってなんだろう?
心臓や肺、胃、腸、脳などの全ての臓器は自律神経という神経によってコントロールされています。自律神経失調症とは、生活習慣の乱れやストレスなどが原因で自律神経が乱れ、上手く体の調整が行われなくなるので心身に不快な症状が出た状態のことです。自律神経失調症を放置しておくと、うつ病や不安障害などの病気に発展する恐れがあります。そのため、早めに治療しなければなりません。
自律神経失調症の4つの原因
自律神経失調症の大きな原因は4つあります。
①ホルモンバランスの乱れなどによる自律神経の乱れ
②ストレスの多さ
③性格(不安になりやすい性格、細かいことを気にしやすい性格など)
④夜更かしなど生活習慣の乱れ
自律神経失調症ではどんな治療をするの?
自律神経失調症の治療では、以下の3つが行われることが多いです。
①体の症状や不安な気持ちなどを和らげる薬物療法
②生活習慣・環境を整える
③ストレスとの付き合い方を上手にするための精神療法
また、治療と並行してセルフケアを行うことで、より速く自律神経失調症を治すことができます。
自律神経失調症のセルフケアにはどんなものがある?
自律神経失調症のセルフケアには、様々なものがあります。例えば、女性は女性ホルモンのバランスが崩れることで自律神経が乱れるので、自分の月経周期を知ることもセルフケアのひとつです。
自律神経失調症の原因であるストレスに対して臨床心理学的に有効な対策を取るのならば、マインドフルネスなどもおすすめしたいセルフケアです。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは「今、この瞬間」にだけ意識を向けることです。イメージとしては、禅に似ています。
「今、この瞬間」に意識を向けるというのは、例えば自分の今の呼吸にだけ意識を向けるということです。そうすることで、嫌な出来事や、嫌な出来事に対して自分が抱く感情などから距離を置くことができます。その結果、悪いことばかりに注意を向けないようにするという注意のコントロールや、自分の嫌な感情から距離を置くスキルを身につけられるとされています。
マインドフルネスを身に着けるトレーニングとして、自分の呼吸に意識を向ける方法があります。途中で、道路を走った車の音が気になったり、ふと雑念が浮かんで、呼吸から意識が逸れることもあるでしょう。それでも良しとして、再び呼吸に注意を向けなおすことを繰り返すことで、マインドフルネスのあり方を身に着けることができます。
まとめ
自律神経失調症の原因には、①自律神経の乱れ、②ストレス、③性格、④生活習慣の乱れがあります。病院での治療と並行して臨床心理学的セルフケアを行うことで、より早く自律神経失調症を治すことが期待できます。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など