心療内科と精神科の違いについて
心療内科と精神科の違いについて。どちらか悩んだ時の判断ポイント
心療内科と精神科は似たようなイメージがある一方で、メンタルの症状でつらく悩むような状況になって初めてお世話になったとおしゃられる患者様も非常に多い診療科であります。また、多くの方たちは、心療内科や精神科に大人になって初めて受診される方が多いために、小児科や内科・皮膚科といった診療科よりも、心療内科・メンタルクリニック、精神科といった診療科にはあまりイメージがわきにくいかもしれません。
また、自分の症状に最適なのがどちらの科なのか分からず、医療機関へ足を運べずにいる方も多いのではないでしょうか。そこで、心療内科と精神科のそれぞれの違いをまとめました。
心療内科と精神科のそれぞれの特徴と違い、どちらに行けば良いのか判断しかねている時にはどうしたら良いのかについてご紹介しておりますので、ぜひ御参考にしてみてはいかがでしょうか。
心療内科と精神科の違いについて
心療内科と精神科には、大まかに次のような違いがあります。
心療内科とは
心理的なことやストレスが原因で発生している身体の症状や心の悩みや身体の症状について相談できる場所が心療内科です。
例えば自分にとって大きなストレスだと感じていることがあり、そのことを考えると心の症状や身体の症状、あるいはどちらかがが現れるというような場合は、心理的の負担の影響が大きいと考えられる症状ですので、心療内科でのご受診と治療を検討してみましょう。
心療内科では不眠症の治療も行っております。不眠は、日々の疲れやストレスを癒すだけではなく、生活のリズムを形成し、人間の生理活動をコントロールする働きがあります
ひとたび、心理的なことやストレスで夜の寝つきが悪くなったり(入眠困難)、途中で目覚めてしまう(中途覚醒)、または朝早くに起きてしまう(早朝覚醒)不眠を伴っていることがあるために、“心のケア”と“体のケア”で不眠症のコントロールをすることが効果的である場合があるために、心療内科にて不眠症の治療も併用して行っております。
精神科とは
心の症状や精神の症状が相談できる場所が精神科です。何かのきっかけで幻聴が聞こえるようになった、幻覚が見えるようになったといった精神的な症状に悩んでいる場合も、こちらで相談をしましょう。また、物忘れや妄想などの認知症疾患についても、精神科にてご相談が可能ですので、最近物忘れが増えたな、、、とお悩みの方もお気軽にご相談くださいませ。
心療内科と精神科で相談する症状の違いについて
具体的にどのような症状があった場合に、心療内科と精神科のどちらを選択すれば良いのか一例をご紹介します。
次のような症状がある場合は心療内科で相談してみるのがおすすめです。
●内科や耳鼻科などで検査を受けても異常がないにもかかわらず、原因不明の耳鳴りが続く
●内科や整形外科で検査や診察を受けても特に異常を指摘されず、肩こりやしびれが継続している等
●内科で薬を飲んでいるのに下痢・便秘を繰り返して腹痛が改善されない(または下痢のみ、便秘のみなど)
●電車や会議など特定の場所やシーンで、腹痛がしたり、吐き気や頭痛などのカラダの症状が出てしまい生活に支障が出ている
●仕事に行くことを考えると頭痛がひどく、朝起きられない
●身体的な不調があるが、原因となるストレスに思い当たることがある
●心理的なことが原因で身体の不調や心の不調を感じている
●心理的なことやストレスのせいで、夜の寝つきが悪い
●ストレスや心理的な影響で、途中で目覚めてしまって寝つきが浅い
●疲れているにも関わらず、朝早くに目が覚めてしまいそれから寝付けない
●人間関係や職場関係で悩んで気持ちが落ち込んでいる状態がずっと続いている
●イライラしたり落ち込んだりなどの感情の起伏が大きくなってしまいつらい
気になっている症状が、心理的あるいはストレスによる影響を受けていると感じる場合の相談先として心療内科が適切であることが多いです。上記はあくまでも例ですので、相談したほうがいいかな、、、と思われた時にはお一人で悩まれず心療内科などの医療機関へご相談されることをお勧めいたします。
続いて以下のような症状がある場合は、精神科に相談しましょう
●周りにいる人が全員自分の悪口を言っているように感じる
●近所の人が自分を監視しているような気がする
●誰かに見られているような気がする
●物などを盗られているように感じる
●最近、物忘れが増えてきた気がする
など、例を挙げさせていただきましたが、この例に当てはまらない症状でも精神科受診が必要である場合もございますので、もしかしたら、、、と思われた時にはお気軽にご相談くださいませ。
心療内科と精神科どちらに行くか迷ったら
心療内科と精神科のどちらに受診するか悩んでしまった場合には、両方の診療科の看板を掲げているクリニックを選んで受診されることも検討されてはいかがでしょうか?
心療内科と精神科それぞれのイメージは、本当に似ているように感じますが、心理的・ストレスによる体と心の症状については心療内科、精神的な症状は精神科という様に得意としている症状のジャンルは心療内科と精神科では異なります。また心療内科と精神科の両方カバーできるクリニックを選べば、どちらの症状やケースでもしっかり対応してもらえます。
あるいは、かかりつけ医師の診察を受けて相談した際に、医師から心療内科あるいは精神科へ受診をするように指示されることもあります。
悩んでいる症状があるならまずは御相談を
心療内科・精神科のどちらに行けば良いのかわからないから、どこにも行けずにいるという方もみえるかもしれません。また心療内科にかかって頂くことが多い、心理的・ストレスによる心と体の症状については、なかなか家族や職場仲間などを含めた周囲からも理解されづらい症状でもある場合もあるために、我慢しすぎて放置してしまうと症状が悪化する可能性もあるので、辛いなしんどいなと思う症状があれば、思い切って足を運んでみませんか?
心療内科や精神科というと、少し行きにくいイメージを持っている方もいますが、医師の診察を通して、自分では気づけなかった心のトラブルなどがはっきりわかるようになり、具体的な対策を取れるようになることが多いのです。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など