心療内科で処方されるお薬について|名古屋市栄の心療内科ブログ
心療内科で処方される「お薬」とは
心療内科へ行くと、診察問診や既往症、他院の受診歴を総合して最適な薬が処方されます。
初回の来院時には薬が処方されず、その後の症状の経過に応じて処方が開始される患者様いらっしゃいますが、何らかの診断や症状がみられる場合には治療薬として抗不安薬や抗うつ薬・睡眠薬などが処方されたり、その他の治療方法を提案されることがあります。
ここでは、心療内科でよく使われる薬について詳しく紹介いたします。
心療内科でよく処方される薬について
心療内科ではさまざまな薬が処方されますが、その多くが精神、ココロのケアに関わるものです。どのような薬が処方されるのか、詳しく見ていきましょう。
抗不安薬
いわゆる「安定剤」と呼ばれることもあります。不安症状やパニック症状の発作の時に症状を和らげるために使用したり、抗うつ薬と併用して、不安障害やパニック障害、更にはうつ病の不安症状が強い場合に治療の併用薬として用いられます。
即効性のある薬もありますが、作用時間が比較的長いものもあるため、症状の程度に応じて処方されます。
抗うつ薬
うつ病、抑うつ状態への対処に使う薬です。
よく処方されるお薬としてはSSRIなどがあり、副作用も以前より抑えられた新しい処方薬も増えてきております。うつ病などの慢性的なうつ状態を改善するために処方されます。パニック障害・強迫性障害、不安障害にも抗うつ薬での処方が標準的な治療となる場合も多くあります。
睡眠薬
不眠や中途覚醒、眠りが浅いといった症状に使われる薬です。
薬によって作用時間や効き始めるまでの時間が異なるため、「入眠困難」、「中途覚醒」なのかといった、睡眠の状況に応じてお薬の処方が異なります。睡眠の安定化は、うつ病を含めたそのほかの心療内科疾患における治療としても非常に重要な役割を持ちますので、医師と相談しながら不眠症状に合ったものを内服されることをお勧めいたします。
抗てんかん薬
けいれんを抑える働きがあり、てんかんの症状をお持ちの患者さんに処方されます。
また、「双極性障害」「躁うつ病」といった、気分の上下を穏やかにするために使われるお薬としても有名です。
漢方薬
漢方処方を行っているクリニックでは、患者さんの心身の状態を安定させるために漢方薬を用いることがあります。
不眠や不安、抑うつなどの症状に対する漢方薬だけではなく、月経前症候群(PMS)などの女性ホルモンの変動に影響する症状に対しても効果があります。
漢方薬には非常に多くの種類のお薬があり、複数の漢方を組み合わせることで体の弱っている部分にアプローチすることもできます。
薬の効果と副作用について
心療内科で処方される薬の効果と副作用に関して、詳しく見ていきましょう。
薬の効きめと持続時間
心療内科の薬は、不安感や抑うつなどを抑える効果のほか、睡眠リズムを整える役割があります。
同じ薬でも患者さんの症状や体のコンディションによって効きが変わってくることがあるため、薬の用量を増減して対処したり、複数の薬を組み合わせていく方法が一般的です。
ある程度症状に改善がみられたら、薬の種類を減らしたり、用量を少なくしたりする方法もとられます。医師は毎週~毎月で患者さんに来院してもらい、薬の効果をみながら増薬や減薬を行います。
薬の副作用
精神面に作用する薬には、以下のような副作用が考えられます。
眠気
口渇
めまい
起立性低血圧
便秘
排尿障害
不整脈
性機能低下
高血糖
代謝系異常
依存症
これらの副作用は、軽度でありほとんど気にならないものから生活に支障をきたすものまで、患者さんごとに程度が異なります。
また、特に昨今治療薬として良く処方される抗うつ薬やSSRIといったお薬は依存性はほとんどないと言われている程のお薬でもあり、適切な治療とお薬の調整を行えば、これらの副作用を最小限にとどめることが可能となります。
服用中の薬との飲み合わせや既往症の有無、体質により副作用の出方が異なるので、心配な方は事前に医師に相談をしてください。
処方される薬の特性を理解する
心療内科では症状に合わせて薬を投与し、経過をみながら薬の内容や用量を、少しづつ変えていきます。
副作用が心配な場合は、事前に相談し、服用する薬の内容をよく確認して治療を行うことが大切です。
当院は最小限のお薬と最大限の効果を目指して診療をしております、心療内科・精神科・メンタルクリニックですのでお気軽にご相談くださいませ
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など