大人の発達障害、ADHDについて
大人の発達障害、ADHDについて
ADHDは従来、小児期に中心的に診断されると考えられていましたが、大人の発達障害やADHDとして、近年は成人でも多く確認されるようになりました。
大人の発達障害が注目される理由は?
昨今は、働き方の多様性と、また働くことに対する価値観の相違や、ライフプランの多様性の為に、「勤務環境や社会環境は非常に複雑化しております」
そのために、人間関係や業務内容が以前より複雑化しており、小児期にはあまり問題として表面化しづらかった特性や症状が、大人になって強く顕在化して、問題として取り上げられていることが多いです。
特に、ライフプランの多様性や価値観の相違から、職場や家庭環境での人間関係を築くのはとても困難を極めており、人間関係などで悩んだり疲れてしまう方が増えてきているのも事実です。
このような複雑な人間関係と勤務環境の中で、常に注意を払い、継続してミスなく取り組むことが、そもそも非常に困難となっているために、不注意やミスを起こしてしまう事が比較的多い方にとっては周囲との軋轢を生みやすく、その結果として「生活しづらい」や「生きづらい」といった感情を抱えてしまう事が多いとも言われております。特にADHDの症状の中でも、「不注意優位型」の症状で大人になってから困難や悩みを抱える方が多く、医療機関への受診につながっていると考えられています。
ADHDや大人の発達障害の方たちはうつ病やそのほかのメンタルの疾患を抱えやすい
人間関係でうまくいかないことや、仕事での不注意やミスで悩んだり苦労をしたりしやすい方は、ご自身の自信が非常に低く、自己肯定感が非常に低下していると言われております。
そのために、自分はできない人、何をやってもうまくいかないといった否定的な感情が強くなってしまい、そのような症状が強くなって、抑うつ症状や不安症といった疾患を併発してしまう事も珍しくはありません。
医療機関へご相談される方の多くの患者様が、これらの気分の不調と共に受診されて、ADHDや大人の発達障害と診断されることも多いために、なんだかつらいな、しんどいなと悩まれている方は一度医療機関へご受診されてご相談されることをお勧めいたします。
ADHDや大人の発達障害の症状によっては薬物治療や環境調整・行動療法などが有効です
不注意や多動といった症状が強い方には、コンサータやストラテラの治療薬が提案されることがありますし、非薬物療法としては行動療法や環境調整などの方法もADHDや大人の発達障害のコントロールには有効です。
ADHDや大人の発達障害の症状をコントロールするという意味
ADHDや大人の発達障害の症状を無くすという事よりも、環境調整や補助的な行動を併せることにより、苦手としている状況と上手に付き合っていく事を目指す、あるいはその方法を探していくことが、ADHDや大人の発達障害の治療では大切となります。
周囲の人たちや家族の人たちからは、できていることや、本人が取り組んでいることに対しての、周囲からのねぎらいの言葉も本人にとって自信をつけていく事ができる重要なサポートとなります。本人が症状に対して向き合い、取り組んだり、心理士や医師に相談しながら治療を継続している環境も大切です