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2019.11.202024.03.30

全般性不安障害(GAD)かも?とお悩みの方へ

全般性不安障害(GAD)かも?とお悩みの方へ

全般性不安障害とは?

全般性不安障害とは何でしょうか?不安障害や不安症にも含まれており、パニック障害社交不安障害、全般性不安障害などが挙げられます。しかし、社交不安障害やパニック障害とは異なり、全般性不安障害とは一般的にはあまり知られていないように感じます。

また心配のしすぎでは?気にしすぎでは?といった表現や対応で、本人の性格や考え方なのでは?といった表現をされてしまうなど、家族を含めた身近な周囲の人たちも深刻に取り扱ってくれないことが多いのが、全般性不安障害なのではないでしょうか?

しかし、全般性不安障害は症状が継続したり進行したりすると、不安や心配で手につかなくて、日常生活が送れない。外出したり、他人に会うと何かまた不吉なことを心配したり、いろいろな不安事が増えるかもしれないと考えてしまい、外出がおっくうとなったり、引きこもってしまったりすることもあります。

また、自分の不安の症状が大きくならないように、周囲を巻き込んだり、イライラをぶつけたりなどの症状も出てしまい、人間関係も大きく損なってしまう事もあります。

本人も、自分の考え方のせいなのであろうか?、不安症なのは昔からと考えてしまうために、医療機関への相談が遅くなったり、前述のように生活までの影響が大きくなってから家族に連れられて受診するということも少なくはありません。

もし、全般性不安障害かもとお悩みの方は、お早めに医療機関迄ご相談くださいませ。症状や希望に応じて漢方などの治療のご提案もさせて頂いております。

全般性不安障害では身体症状も出現していることも多いのです

全般性不安障害は、日中の不安症状や、不安や心配の継続のために、常に緊張したり倦怠感や疲れを感じていることが多いです。そのために、全般性不安障害だけではなく、自律神経失調症といった体の症状を呈してしまう事もあるのです。

特に、頭痛や肩こり、倦怠感は全般性不安障害の症状に伴いやすく、耳鳴りや難聴、ほてりや動悸や消化器症状など様々な症状も呈してしまうことがあります。

そのために、最初は一般の内科にかかっていて、いくら検査をしてもはっきりと原因が分からなかったりして困ってしまっている方が、診察で聴取を行うことにより、全般性不安障害で特徴的な不釣り合いな不安症状も確認されて、実は全般性不安障害も合併していたと判断されることもあるのです。

また、全般性不安障害にはパニック障害や社交不安障害などのそのほかの不安障害、更にはうつ病強迫性障害などのそのほかの疾患を合併してしまっていることも多いのが特徴ですので、ご自身で我慢しすぎてしまったりしてしまわないように、早めに医療機関へご相談されることも重要です。

全般性不安障害の症状とは?

全般性不安障害の症状には、不安を抱く事柄に対して、その心配が生じ津可能性が低いにもっ変わらず、不釣り合いな程強く不安感や心配を感じてしまうのです。

  • お金が急になくなったらどうしよう(現にお金が急に無くなるようなイベントはまだ起きていない)
  • 自分が重大な病気にかかっているのではないか?と不安(検診や検査をしても大きな異常は見つかっていない時も)
  • 身内に不幸が起きたらどうしよう(旦那さんなどまだ健康的な状況でももしもの心配がずっと続く)
  • 家が壊れたらどうしよう(特に家に欠陥などが見つかっているわけではないが心配になる)
  • 急に災害が来たらどうしよう(予想できない災害の存在や未来について常に不安である)

 

など、誰しもが感じやすい不安や心配の事柄が、継続的に不安が続いてしまったりしてしまうのです。

このような不安感情が出現してしまった時には、自らの中で「不安や心配をいつまでしても仕方がない」と自らの感情をコントロールできることが多いのですが、全般性不安障害の方は病状のせいで、このようなコントロールができなくなってしまっているので、不安な気持ちや心配の気持ちを絶えず持ち続けなくてはいけなくなってしまっているのです。

また、全般性不安性障害の症状は一例ですので、もしかしたら、、、と思われる方は自己判断なさらずに医療機関へ一度ご相談されることをお勧めいたします。

全般性不安障害(GAD)の治療について

全般性不安障害(GAD)の治療には薬物療法などが挙げられます。

また、不安症状や身体症状に応じては漢方治療なども、ご提案させていただいております。

全般性不安障害の外来治療について

外来にて、不安な感情や、心配を抱きやすい癖、更には自分の中で心配や不安を大きく増幅させすぎてしまう癖についての見直しや認識などの働きかけを行うことがあります。そのような治療の手法として、認知行動療法やそのほかの精神療法を使用することがございます。特に、不釣り合いな不安の為に、周囲に相談してもなかなか理解してもらえなかったり、「気にしすぎ」「神経質」などと指摘されてしまう事で、自分に自信が持てなくなったり、否定的な考え方に偏ってしまっていることも多くあるので注意が必要です。

特にそのような状況でお悩みの際には、お薬だけではなく、自分の症状について理解をして向き合っていける取り組みにもなります。

全般性不安障害の薬物療法について

薬物療法では、うつ病やそのほかの不安障害であるパニック障害や社交不安障害の治療でもある、抗うつ薬のSSRIなどの治療が主体となります。

全般性不安障害の患者様の脳内では、セロトニンやGABA(ɤアミノ酪酸)などの神経伝達物質のバランスの異常が生じているとも考えられており、これらの量のバランスを整えるお薬に効果があると言われております。特に抗うつ薬のSSRIでは、セロトニンのバランスを整える効果があり、全般性不安障害や不安障害の治療、更にはうつ病の治療薬として用いられるのです。

また、不安症状が特に強い場合には、これらの抗うつ薬以外にも抗不安薬を併用しながら症状の緩和とコントロールを図ることもあります。これらのお薬の調整については医師と相談しながら調整をしていく事が必要となりますので、定期的な通院と診察をお願いいたします。

どうして抗うつ薬であるSSRIを、全般性不安障害(GAD)の治療に使うのか?

なぜSSRIが全般性不安障害に使用されるのかという理由については諸説ありますが、一番有力な説としては、全般性不安障害(GAD)などの不安障害やうつ病には脳内のセロトニンという神経伝達物質の量が大きく関わっていると考えられているのです。

特に、抗うつ薬であるSSRIという種類のお薬は、このセロトニン量の調節に対して働く薬剤であり、全般性不安障害(GAD)に限らず、不安障害(不安症、社交不安障害、パニック障害など)の患者さんにも効果があると言われております。特にこれらの病状の方たちは、脳の扁桃体と呼ばれる部位のはたらきが活性化されすぎているということも指摘する説もあり、そのことが不安障害のような、不釣り合いな不安症状の原因ではないかとも考えられているのです。

実は、この扁桃体の活性化された状態を抑えるという働きも、抗うつ薬であるSSRIの作用とも言われており、たとえばレクサプロというお薬の場合は1週間ほどで扁桃体の反応を抑制できたというデータも提示されているようです。つまり、全般性不安障害の治療では抗うつ薬であるSSRIなどを主体とした薬物療法を行うことで、セロトニン量や脳内の扁桃体の活動バランスを整えることに繋がります。その結果として全般性不安障害(GAD)の患者さんがお困りである、不安症状を改善に導くことが期待できているのではないかと考えられています。

名古屋市栄のメンタルクリニック,心療内科

全般性不安障害(GAD)に関する詳しい説明はこちらから

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野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など