パニック発作の原因はパニック障害だけではありません
「パニック発作」は、パニック障害の症状だけではありません
パニック発作は、パニック障害の特徴的な症状である事には間違いはありませんが、実は、パニック障害以外でも、広場恐怖症や限局性恐怖症、社交不安障害などのあらゆる不安障害・不安症で、パニック発作は起きうるのです。
また、うつ病や抑うつ障害群等でもパニック発作は出現することもあり、パニック発作自体に病名が付いているわけではありませんが、パニック発作を及ぼすメンタル疾患は実は非常に多くの病気に及ぶのです。
そのために、病名によっては、主病名とパニック発作の有無を追記するなどの対応をするなど、メンタル疾患におけるパニック発作の有無は臨床の場面でもとても大切なのです。
そのため、あらゆるメンタル疾患において、パニック発作の有無を確認することが必要であるとされています。
【パニック発作の基準とは】「パニック発作」はどのような症状を指すのか
パニック発作には、基準があります。以下にパニック発作の基準をまとめ要約しました
パニック発作は恐怖や不快感が突然高まり、数分以内にピークに達し、これらの13の基準のうち、4つ以上該当すると「パニック発作」と呼ばれ、3つ以下しか基準に該当しない場合には「症状限定性発作」と呼ばれます。
基準①:動悸や心悸亢進、または心拍数の増加や、心臓のドキドキ
基準②:発汗、冷や汗、大量の汗
基準③:身震いまたは震え
基準④:息切れ感または息苦しさ、呼吸困難感
基準⑤:窒息感、のどの詰まる感じ、息が吸えない・吐けない
基準⑥:胸痛または胸部の不快感、違和感
基準⑦:吐き気または腹部の不快感、違和感
基準⑧:めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ、失神しそうな感じ
基準⑨:寒気または熱感
基準⑩;異常感覚(感覚麻痺またはうずき感、そわそわ敏感になる感じ)
基準⑪:現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している感じ)
基準⑫:抑制力を失うまたは”どうかなってしまう”ことに対する恐怖
基準⑬:死ぬことに対する恐怖
パニック発作は合併している精神疾患への影響がとても強い
上記のパニック発作の症状基準は、身体症状や精神症状を含まれており、このような症状が恐怖や不快感・不安感情と共に、数分の内にピークに達し、多くは30分以内に消失することが多いです。しかし、このようなパニック発作への恐怖感は発作を繰り返すたびに更に強く、合併している精神疾患への影響をより高めます。
パニック発作の治療とは
パニック発作が繰り返されたり重要な発作時には、ベンゾジアゼピン系などの抗不安薬を頓服で持つことは有効であり、本人の安心感にも繋がります。同時に、パニック発作を誘発している精神疾患の治療がとても大切です。
パニック発作でお困りの方は、名古屋市栄の心療内科・精神科・メンタルクリニックのひだまりこころクリニック栄院までご相談くださいませ
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など