クリニックブログ

2020.09.082024.04.01

どこから病的な不安?正常不安と病的不安の違いとは

不安という感情とは

不安という感情は、誰しもが感じる感情だと思います

しかし、不安症という不安に関連したメンタルの不調と、通常の正常不安の違いというのは分かりづらいかもしれません。

ここでは、正常不安と不安症について中心的に記載をしております

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正常不安とは

正常不安は、決して稀な感情ではなく、すべての人が体験する感情であり、不快で何となく嫌な憂鬱な気持ちを生みます。

そして、不安という感情はしばしば、身体症状を伴い、発汗や震え、動悸や胃部の不快感や、発狂したい感じといった不穏症状を誘発することがあります。

また、そのような不安感情や身体的な不安症状は大変個人差が大きい症状である事も特徴です。

不安と恐怖の違いとは

不安と恐怖というのはしばしば混同されがちです。もちろん、とても感情としては似通っているので、不安も恐怖も同時に起きうるのですが、

恐怖は、対象が限定され、外界に影響された脅威に対する非葛藤的な反応であるのに対して、不安とは、漠然としていてかつ内面的で、葛藤的な脅威に対する反応です。

「恐怖」とは例えば、動物と対峙した時に、噛みついたり自分に危害を加えるかもしれないと抱く反応である一方で、

「不安」は、発表などの場面で、上手くいかないかもしれない、何か想定していない悪いことが起きてしまうかもしれない、結果上司に怒られてしまうかもしれないといった、内面的で葛藤的な脅威が中心の反応であると考えられます。

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不安も恐怖も、生きていくのに必要な「警告信号」・「危険信号」なのです

不安や恐怖は、自分の身に何か起きるかもしれない危険に対する警告であり、それは身体的な脅威だけではなく、地位や財産、愛や愛着の喪失、人生観や価値観等あらゆる個人の存在や意義に対して脅威を与える可能性があるのです。

このような危険・警告信号がある事で、人々は「失敗しない」様にあらかじめ準備したり、予定を立てて行動をしたり、起きうる悪い想定を考慮して「防ぐ」手だてを取るようになり、自分がそのような「危機や失敗に実際に陥って困らない」ように行動をするのです。

不安や恐怖も、実は内的にも外的にも揺れ動くもの

不安や恐怖が感じられると、人は「困らないよう」「傷つかないよう」に行動をすることは先に述べました。

しかし、一方で、不安や恐怖が人間の心理に与える影響は大きく、不安や恐怖のために目の前のことにしか気が回らず、周囲への配慮や注意が散漫になったり、極端な対応をしてしまう等、学習や集中力といった点で思わぬ悪影響を及ぼしてしまう事もあるのです。

そのために、人々は不安や恐怖が、そのような自分の意識全体を占めて支配してしまわないようにコントロールし、時には不安や恐怖を選択的に捉え、いくつかの感情をあまり取り立てて対応をしないか、無視をするかという対応を取ることもあります。しかし、そのために余計に脅威・危険にさらされてしまう事もあるのです。

そのような、脅威・警告信号という不安や恐怖に対して、対策と減弱を繰り返しながら、私たちは常に行動と感情をコントロールしているのです。

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不安や恐怖は、ストレスや体調、人間関係で大きく変動しやすい

人間の不安や恐怖の感情は、疲労やストレスによって大きく左右されやすいです。

また、その時の周囲の人間関係によっても、不安や恐怖は軽減されやすい傾向もあります。

病的不安・不安症はストレスや疲労、ホルモンの変動・脳の器質的変化等によって起こる等と考えられています

不安症は、正常不安と違って、不安や恐怖が強くなって、発汗や震え、呼吸症状や失神感などの身体症状や精神症状が強く出すぎてしまう疾患です。

そして、そのような不安感情や症状のために、学校や家庭、会社などの日常・社会生活に支障と障害が起きてしまっていることが継続していることが特徴です。

病的不安としては、不安症それぞれの中でも、「パニック症」「全般性不安障害」「分離不安症」「選択性緘黙」「社交不安障害」「限局性恐怖症」「広場恐怖症」、「物質・医薬品誘発性不安症」等、様々な診断基準で病的不安に対する診断基準が設けられています。

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病的不安・不安症は、投薬治療や通院治療が必要

病的不安・不安症では、セロトニンなどのストレスホルモンの影響や脳の扁桃体への変化の影響などが指摘されています。うつ病と同様に抗うつ薬の投与が治療には有効とされていますが、認知面の修正などによる治療にも効果があります。

特に不安・恐怖は、揺れ動く感情である為に、認知面の影響が大きい

不安や恐怖は病的不安や恐怖になればなるほど、不安という自分の状況と知覚と、他者からの自分への見え方などの認知面のゆがみや、ずれが大きくなりがちです。

そのために、通院による精神療法で、認知行動療法や行動療法、暴露療法などを組み合わせることもあります

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不安症や病的不安の治療の目標は、「不安を取り除くこと」ではありません

下がってしまったストレス耐性力を高めることも目標

不安症や病的不安に陥ってしまうと、ついつい治療で不安を取り除くことや感じないように仕向けることに重きを置いてしまいがちですが、すべての人に於いて不安や恐怖という感情はあってしかるべきであり、危険信号としてとても大切な感情なのです。

ストレスや疲労、更には認知面のゆがみによって、不安や恐怖に対する感情への耐性・対応力が低下して不安症を呈してしまっているために、薬物や心理治療によって、不安への耐性・対応力を高め整えるという考えが治療の上では大切です。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など