クリニックブログ

2020.10.262024.04.01

ためこみ症の病因や治療について

ためこみ症とは

ためこみ症とは、

・不要なものかあっても価値のないものを大量に集めてしまう事

・集めたものを、捨てることができない

・散らかった物の為に日常生活が送れない

・ためこみ症のために、苦痛や機能の障害が起きている

といった、点が特徴的な疾患です。

ためこみ症の病因について

ためこみ症の病因についてはまだはっきりしていませんが、家族性に起きる傾向もあると言われており、ためこみ症の方の80%に、近しい血縁者のためこみ症の存在が指摘されているという報告もあります。

脳の機能からも、後頭葉皮質の代謝の低下がみられるなど、注意欠損や意思決定力の欠如といった認知障害の原因との関連についての指摘もあります。

また、遺伝子についても指摘されており、COMT遺伝子や4q、5q、17qなどの関連性について報告されています。

ためこみ症は、自分で気が付かない方も多い

ためこみ症は自分で気が付かない方も多いのです。つまりは、自覚症状に乏しく、ためこんだ物質を他者により捨てられるかもしれない状況で強く嫌悪感を出したりすることで、他者により気づかれることも多いのが特徴です。

そのために、そもそも医療への受診への機会につながりにくくなったり、治療に対する意欲の低さにつながってしまうなどのために、認知面の変化が継続しやすいといった特徴があります。

ためこみ症の治療とは

特にためこみ症に関する治療については、薬物療法としてのSSRIなども提案されていますが、有効性についてはまだまだはっきりしない部分もあります。

認知行動療法に基づき、捨てることや快適な生活環境を作ることを目的とした、行動療法や意思面への働きかけの効果も大きいと言われていますが、一方で自覚症状が乏しい方への効果は得られにくいと言われています。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など