クリニックブログ

2020.05.112024.04.01

うつ病治療には認知行動療法が有効

軽度のうつには薬物療法よりも認知行動療法を優先することも

2009年3月に放送されたテレビ番組「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」で紹介されていましたが、イギリスでは2002年に認知行動療法が公的保険の適応対象になる医療制度がはじまりました(日本でも2010年度診療報酬改訂により健康保険適応となりました)。

番組の冒頭で、「うつ病の治療を何年にもわたって受けているが、成果が出ない」あるいは「薬物の処方がなされているが、症状が悪化しているケースがかなりある」ことなどが指摘されていました。このような患者さんには、認知行動療法が有効だと注目されているようです。

諸外国では、軽度のうつ病にはまずは認知行動療法をすすめているようです。

うつ状態の初発症状では、「かくれ躁うつ病」ではないかどうか鑑別し、単極性のうつ病だったとしても、本当に抗うつ薬が必要かどうかを判定するためにも、まず認知行動療法などの心理療法を先に受けてみるのも有効だと考えます。

しかし、心理療法は効果の立ち上がりに比較的時間がかかることも多く、多くの方にとっては会社や家庭など、自分の健康と守らなければならない組織がある事も現代社会では多いと思います。

そのため、これらの治療方法とお薬治療や適切な休息を併用することで、うつ病の治療の効果を高めたり、お薬の投与量や期間を全体で抑えることも可能になると考えます。

双極性障害・うつ病の治療についての説明をおこなっております

認知行動療法のあらまし

患者さんは、自分の憂うつな気分の原因がわからないまま、ストレスを溜め込んでしまうので、ますますうつがひどくなります。自分にははっきりとわからない漠然をしている憂うつ、不安、ストレスが、気分をさらに落ち込ませているのです。また、「嫌だな」と思う事が長引いてしまいすぎたり、気になって仕方がなくなってしまう等、「嫌な」感情が頭の中で占める割合も知らないうちに大きくしてしまっていることもあると思います。

患者さんが自分の気持ちを把握し、憂うつになる原因はなにで、その時自分はどうする傾向があるのか、そんなときはどう対処したらいいのかを認識させることで、うつを克服していくのです。

患者さんは、自分の抱えている問題を指し示し、マイナス思考の感情の出所をつきとめて、どうすればその感情が和らぐのかを工夫し、それらをノートに書き記して反復し、自分で自分に言い聞かせながら治療訓練をしていくのです。ですが、これらの取り組みは、体調不良の本人が一人で自ら行うには負担が大きいことも多く、家族を含め、周りの人達に頼って進めてみることもお勧めです。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など