うつ病の回復はいつから?「うつ病に初めて診断された」方へ
うつ病と初めて診断された方へ
うつ病と初めて診断された方は、治る病気なのかどうかとても不安になってしまっているかもしれません。
ここでは、うつ病に初めて診断された方が気になる、うつ病の回復についてお話をしております。
うつ病にかかっている人はどのような人たちが多いの?
うつ病は男性よりも女性の方が多く、米国ではおよそ8人~10人に1人が生涯うつ病にかかると言われており、日本では米国ほどではないが約12人に1人の割合で障害うつ病にかかるとも言われています。
また、うつ病の発症は思春期以降に発症する確率が特に上がるために、10代、更には20代・30代の若者に対する、うつ病というのは決して珍しい病気ではありません。
うつ病はどのくらいの人たちが回復するの?いつ治るの?
うつ病と診断されると、「いったいどのくらいの人たちがうつ病から回復するのか」という点を疑問に持たれる方は多いのではないでしょうか?
典型的にはうつ病を持つ人の「5人に2人は発症後3か月以内に回復」しだして、「5人に4人が1年以内に回復し始める」
といわれています。
しかし、ここでいう典型的というのは、「最近になって症状が出現して治療に訪れた人」という、いわゆる『初発のうつ病』という意味が大きいのが特徴です。
抑うつ症状が慢性化したり、繰り返しているうつ病の方の場合は、別の精神疾患の併存や、パーソナリティー障害、物質使用障害などが関連していることが指摘されており、なかなかうつ病の治療に対する治療効果が得られにくかったりします
うつ病を再発させない、悪化させすぎないことがとても大切
うつ病に、別の精神疾患の併存などが無くても、治療経過に時間がかかったり、改善率が比較的低くなってしまう傾向の方がいらっしゃいます。
【注意】重度の抑うつ症状を持っている方、うつ病症状が良くなっている寛解期であったとしても軽い抑うつ症状を持続していた方
上記の方たちは、うつ病の改善率が低くなってしまったり、再発を繰り返しやすくなってしまうので、注意が必要です。
うつ症状が良くなっている寛解期の期間が長くなるほど、再発の危険性が下がる
特に寛解期というのは、うつ症状が良くなってしまう事で、ついうっかり薬を中断してしまったり、無理して薬を減薬してしまったりすることもあるかもしれません。
しかし、寛解期という、うつ症状が良くなっている時期にこそ、お薬の量を調整しながらも投薬を継続することで、うつ病の再発のリスクをコントロールすることが可能となるのです。
うつ病は初発の段階でしっかりと治療を行う事が重要な疾患です
特にうつ病の治療薬は症状が良い状態を維持する作用もあるので、うつ病の症状が良くなっても、お薬の治療期間は1年くらい継続することが望ましいとされており、その後に、症状をみながら減薬を開始することが大切です。
体調が思わしくないと思った時には、我慢しすぎて、うつ病が重症化してしまう前に、医療機関に相談をしましょう
うつ病が重症化しすぎてしまうと、回復に時間がかかったり、うつ病の改善率が低下してしまう事もあります。
うつ病を再発させない、そのためにも通院や治療の継続は大切なことも
うつ病の再発を繰り返すようになってしまうと、うつ病の寛解率や改善率は低下してしまいやすくなります。また、うつ病の症状が良くなってしまっても、短期間でお薬をやめてしまうことも再発の危険性を高めてしまうのです。
うつ病とは、珍しくない病気ではありますが、だからこそ悪化しすぎてしまうまで我慢しすぎてしまったり、短期間で治療を自己判断でストップしてしまう事は、うつ病の再発や経過に大きな影響を及ぼすこともあります。
お薬治療を減らす方法として漢方などの併用療法を行っている心療内科、精神科、メンタルクリニックですのでお気軽にご相談くださいませ。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など