クリニックブログ

2020.11.252020.11.30

【爪かみ・唇かみ】身体集中反復行動症とは

身体集中反復行動症とは

「身体集中反復行動」と「身体集中反復行動症」との違いとは

身体集中反復行動とは、身体への対象とした繰り返し行動です。そのために、抜毛や皮膚むしり、爪かみなどの行動も含めて、身体集中反復行動と呼ばれます。

身体集中反復行動症とは、抜毛症や皮膚むしり症などを除外した病状名です

DSM-4の段階では、身体集中反復行動は衝動制御障害、抜毛癖などの扱いとされていましたが、DSM-5 では強迫症の関連症として、抜毛症皮膚むしり症が診断基準として分離され、強迫性障害や抜毛症や皮膚むしり症などを除いた、その他の特定される強迫性障害および関連障害として「身体集中反復行動症」が明記されています。

爪を噛む・唇をかむ・頬をかむ行為が止まらない

身体集中反復行動症とは、爪を噛む・唇をかむ・頬をかむといった行動が止まらないことが特徴でもあります。

本人も減らそう、やめようといった意識を持って行動に移しますが、繰り返してしまったり止めることができないなどの影響が出てしまいます。

その他の特徴的な強迫症では説明がつかない身体を対象とする反復行動も、身体集中反復行動症に含まれます。時に自慰行為が該当することもあります。

身体集中反復行動症について名古屋市栄の心療内科・精神科・メンタルクリニックが解説しております

身体的集中反復行動症の診断には、社会的な活動への障害も重要です

そのような繰り返しの行動のために、苦痛や恥ずかしいといった苦悩、さらには社会的・職業的にも障害や影響を及ぼしてしまっている状態は診断にも重要です。

発達障害に関連した症状であるチックや自傷行為などは、身体的集中反復行動症には分類されませんが、これらの症状の区別や様態は一見して区別がつきづらいことも多いために、通院や経過の把握と共に判断がなされることもあります。

なかなか、医療に結びつきづらいことも特徴的です

爪噛みなどの繰り返しの症状のために、生活や社会的な活動に支障が起きていても、本人が恥ずかしいという感覚が強かったり、その症状が起きていない時には比較的健康度が高いと判断されがちであるために、精神科や心療内科への通院がなされることが比較的少ないことも特徴です。

身体集中反復行動症の治療とは

抜毛症や皮膚むしり症と同様に、抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)といった薬物療法などが回数を減らす方法として有効とされています。しかし、症状の特徴からも治療の意欲が乏しいことも相まって定期的な通院に繋がりにくいといった懸念もあります。

身体集中反復行動症の治療で大切な事とは

①自分が行っている行為繰り返している行為に対する自覚や客観的な視点を持つこと

②どのようなときにそのような症状が出やすいのかを考察し特定すること

③繰り返す身体行動をどうしたら断ち切れるのか対処法を見つけたり実践すること

これらの①~③のポイントは、身体集中反復行動症の症状の改善や治療にとても大切です。薬物療法だけではなく、これらの視点からアプローチを行う組み合わせが改善効果を大きく高めると考えられます。

➡抜毛症に関する情報についてはこちら

➡皮膚むしり症に関する情報についてはこちら

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など