【抑うつ障害】短期間の抑うつエピソードについて
抑うつ障害とは
抑うつ障害とは、抑うつ症状や意欲の低下などの症状のために、苦痛や辛い気持ちを感じたり、またそのような症状や不調のために社会的・職業的、あるいは他の重要な場面や領域において障害を来したり、影響を及ぼしてしまっていることを指しています
つまりは、憂うつな気持ちや落ち込みで、仕事や家庭、更には人間関係などの生活や活動に支障を出てしまっている方を抑うつ障害と指しているのです。
抑うつ障害はDSM‐5で分類が細かくなされている
【抑うつ障害】うつ病/大うつ病性障害
抑うつ障害は、憂うつな気持ちなどを含めた抑うつエピソードを満たす場合には、「うつ病/大うつ病性障害」という診断名が付きます
【抑うつ障害】重篤気分調節症
6歳以上から18才未満の場合で年齢にそぐわないかんしゃく発作やイライラなどの易怒性については、「重篤気分調節症」の診断基準があります
【抑うつ障害】持続抑うつ障害・気分変調症
うつ病診断基準となる抑うつエピソードとは分離された基準で、継続的な抑うつ気分の継続が2年以上に渡って、存在することが特徴的な疾患が、「持続抑うつ障害・気分変調症」です
【抑うつ障害】月経前不快気分障害(PMDD)
月経開始前の最終週に、気分の落ち込みや不安などの不安定さが出現し、月経終了に向けて症状が軽快する疾患が「月経前不快気分障害・PMDD」です
【抑うつ障害】物質・医薬品誘発性抑うつ障害
物質中毒や離脱の期間中や直後に、更には薬品への暴露の後に出現する、抑うつや興味や意欲の減退が特徴的な「物質・医薬品誘発性抑うつ障害」があります
【抑うつ障害】他の医学的疾患による抑うつ障害
甲状腺機能に関連した疾患や、脳梗塞・脳出血などの脳卒中、更には脳神経学的な疾患等様々な医学的な疾患の直接的な影響で抑うつ気分や興味の低下や喜びの低下などが認められる「他の医学的疾患による抑うつ障害」があります
他の特定される抑うつ障害とは
短期間の抑うつエピソードは「他の特定される抑うつ障害」に分類されます
抑うつエピソードに特徴的な①抑うつ気分、②興味・喜びの減退、③体重の変化、④睡眠の変化、⑤精神運動の制止や焦燥、⑥疲労感・気力の低下、⑦無価値観・罪責感、⑧集中力や決断力の低下、⑨死についての反復思考、自殺念慮
の症状のうち、①の症状の存在と、②~⑨の症状のうち4つ以上が、4日以上13日間、持続することが、短期間の抑うつエピソードの診断には重要です。
症状不足の抑うつエピソード
抑うつエピソードに特徴的な症状①に加えて、②~⑨の症状のうち1つ以上が2週間以上継続するが、他の抑うつ障害群の基準を満たさない疾患を症状不測の抑うつエピソードと指しています
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など