双極性障害(躁うつ病)の治療で大切な事
ご家族や周囲の方達の、ご本人さんの病気の理解もとても重要です
双極性障害の治療には、症状が良くなっている間にも通院や内服が必要な疾患です。双極性障害は、抑うつ症状や躁症状が繰り返される疾患ですが、躁状態が落ち着いたり、抑うつ症状が落ち着いたからといって、通院や内服が途中で途絶えてしまうことによる再発や、躁鬱症状の繰り返しを招きやすい疾患と言われております。
双極性障害では再発を繰り返さないための治療がとても重要です
特に本人の症状が良くなったように見えても、「まだ病院に通っているの?」「お薬をまだ飲んでいるの?」といった周囲や家族たちの言葉により、ご本人さんもとても気になってしまい通院をやめてしまうといった場合もあるかもしれません。
再発を繰り返すことで、双極性障害の症状が年々悪化したり、繰り返されるスパンが短くなったりするなどの兆候が出てくるとも言われておりますので、症状のコントロールとだけではなく、再発予防のための治療はとても重要です。
双極性障害の症状が改善したときには、お薬の量を減らしたりなどをしながらも、内服を継続したり、通院を継続して、症状の変化の兆候を早期見つけていくための対応が必要となります。
このような再発を防ぐ目的での通院や治療はご家族の方達や周囲の人たちからの理解もとても大きな役割となります。ご本人さんがついうっかりと通院を忘れてしまったり、内服を急にやめてしまった時には、医療機関への相談の打診や、ご本人さんの体調へのご配慮をどうぞよろしくお願いいたします。
周囲の人たちやご家族の人たちだからこそ、患者様の日々の症状の変化や体調に気がつくこともあるかと思いますので、「あれなんか症状が変わってきているな」と思われたその際には医療機関へ相談されることをご本人さんに打診して頂けましたらと思います。
双極性障害の再発の兆候について
・おしゃべりな傾向に変わった
・暴言を吐くようになった
・買い物などの散財が増えた
・神経質になったり、敏感になったりする
・怒りっぽくなる
・イライラしやすくなる
双極性障害にかかってしまうと極端なものの見方を呈してしまう事も
双極性障害にかかってしまうと、病状の為に、ひどく落ち込んだり、否定的なものの考え方になったり、人間関係での失敗を多く生じさせてしまう事があります。
そのために、自己否定が強くなったり、極端な判断を下してしまったりして、周りを驚かせるだけではなく、本人自身の人間関係や状況を更に悪化させてしまう事もあるのです。
極端な物の考え方や見方の癖を整えることも大切です。通院治療を通して、考え方のクセの見直しなども行うことにより、再発しやすい状況や考え方をコントロールすることが可能です。
また、そのような辛い体調や考え方に陥ってしまった時に、寄り添い医療機関への通院や治療のサポートをしてくれる周囲や家族の存在も、双極性障害治療ではとても大切なのです
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など