パニック症と神経伝達物質・脳の構造的変化とは
パニック症の神経伝達物質とは
パニック症には、関連する神経伝達物質があると言われています。
ノルエピネフリン系・セロトニン系・GABA系などがあります。特にセロトニン系は関係が深く、不安症状の増強にも影響があると言われています
神経系のシナプスの感受性を変化させることで、不安やパニック症を誘発させやすく、脳の調節機能に異常をきたすことで、パニック発作を誘発させやすくなるのです。
このような調節系の異常は時として、自律神経系にも影響を与えるために、交感神経の緊張を過度に高ぶらせてしまったり、反復刺激に対して適切な反応ができなくなったり、順応が鈍くなってしまったりすることもあるのです。
また、中等度の刺激に対して、過剰に反応を示してしまうなどの影響もあります。
このような影響の為に、パニック発作やパニック症に関連した、自律神経症状も特徴的な理由となります。さらには、神経内分泌の状態にも影響を与えることも指摘されています。
パニック障害は脳の構造的変化をもたらす
脳のMRI画像などを用いて、パニック症の方達の脳の構造についても研究が進められています。
脳の血流の低下がみられたり、実際に脳の萎縮が認められているなどの報告があります。
また側頭葉・海馬や扁桃体などの病理学的変化も指摘されております。
これらの構造の変化は、パニック症や不安症に関連しためまい感などの中枢神経症状や、過呼吸や低炭酸ガス血症に伴った末梢神経系の症状を生じると考えられています。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など