気分変調症・持続性抑うつ障害とは
気分変調症、持続性抑うつ障害とはどのような疾患でしょうか?
気分変調症や持続性抑うつ障害は、抑うつ気分や無気力が続いているが、うつ病の診断基準でもある、抑うつエピソードを満たさない状態が2年間以上継続している状態を指しています。
つまり、うつ病の基準は満たさないものの、憂鬱な気持ちや気力の低下が何となく継続し、その期間が2年以上かかっている場合をいうのです。
特に以前は、抑うつ神経症や神経症性うつ病といった表現をされることも多かった疾患です
また、気分変調症は、現在抑うつエピソードを満たしていないものの、その気分変調症の初期やある一定の時期には、うつ病と診断される状況が含まれていても良いとされています。
気分変調症や持続性抑うつ障害の症状とは
抑うつエピソードまでとはいかない症状であっても、疲れやすく、なんとなく憂鬱な気持ちがほとんどの期間で続いているのです。さらには、積極的にやりたいことはないが、日常生活だけは何とか送る。また、疲れることや苦労が苦手で、不平不満も多く、軽微な事であっても取り組むために大きな努力と気力を要し、周囲からは「怠け者」「マイペース」「めんどくさがりや」などといった表現を受けることも多いのです。
気分変調症の経過次第では、うつ病や双極性障害といった診断に変更される場合もあります。
気分変調症の特徴とは
気分変調症は、数年だけではなく生涯継続する人たちも多くいます。うつ病の重症の症状を呈することが多くないにしても、比較的体調が良いと感じられる期間も少ないという点は注意が必要です。
もちろん、このような体調が継続するために、自尊心や自信の低下、判断力の低下なども継続的に持続しやすいので注意が必要です。
気分変調症は認知面の修正も有効ですし、また医療機関での少量からの薬物治療も有効です。特に、自立支援医療制度等の適応になっていることもあり、うつ病同様に医療機関の通院・治療サポートも大変重要な疾患なのです。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など