クリニックブログ

2024.04.192024.04.21

【脳の画像研究やパニコーゲンについても紹介】パニック症や不安症の原因とは

パニック症や不安症の原因や現象について

パニック症不安症の原因や現象についてはいろいろな説があります。

脳の画像研究で認められた変化について紹介します

パニック症や不安症を抱える人たちの脳の画像研究においては、脳の左側あるいは右側のどちらか優位に画像上に変化を伴う所見があるとも指摘があり、その左右非対称性な非特異的あるいは特異的変化および、通常時との変化との拡大が不安や不安症への関わりの原因の一つではないかとも報告されています。

このような非対称性や特異所見は、脳の左右差における違いだけではなく、海馬や尾状核・偏桃体などにおける活性の変化も関連している可能性も示唆されておりますが、現時点で不安症やパニック症に特化した脳の変化を、明確に特定できているわけではありません。

またこのような脳の活性や画像上の変化は、パニック症や不安症だけではなく、そのほかのメンタル疾患にも関連して言えることでもあり、まだまだ研究が進められている最中でもあります。

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【パニック症や不安症】気のせいや、性格・考え方の問題ではない

このように、パニック症不安症では、脳の活性や画像上の変化を伴っているとも指摘されており、決して「気のせい」「性格の問題」「弱さ」という個人の内面や性格に原因が終始追究されるものではなく、あくまでも脳の影響や活性の変化が伴う疾患であるという認識は大切です。

うつ病でも指摘されているように、ストレスや疲労は脳への影響を与えるように、パニック症や不安症の症状も少なくとも脳から影響を受けた病状であるということには留意すべき点があると思います。

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【SSRIなどの神経伝達物質に作用する】薬物療法や休息などの治療について

このような脳の画像的所見の変化からも、神経伝達物質の調整を薬理作用とするセロトニン受容体に関する作動薬(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、ノルアドレナリン系作動薬などが、パニック症や不安症への治療効果に紐づく薬理作用に関連しているかもしれませんが、まだその治療効果の詳細な機序については現在も研究されている分野でもあります。

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【パニックを引き起こしやすい物質】パニコーゲンに注意

またパニックを誘発しやすい物質の存在も指摘されています。そのような物質をパニコーゲンと呼んでおり、パニック症の方が摂取すると、パニック発作を誘発しやすい物質であると認識されています。

酸塩基バランスを変化させることで、生体内の化学受容体や圧受容体に影響を与える、二酸化炭素さらには重炭酸・乳酸ナトリウムなどの物質があります。

また、神経伝達物質を介して作用するカフェインやフルマゼニルなどの物質もパニコーゲンとして知られています。

これらの神経伝達物質を介したパニコーゲンのパニック発作の誘発に関する機序はまだはっきりとは分かっていませんが、いずれにしても、パニック発作を誘発しやすい物質であることには注意をして、パニック症の方はコーヒーやワインなどの摂取はできるだけ控えるなどの対応は有効です。

パニコーゲンについてはこちらのブログでも記載をしております。

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さいごに

「パニック症や不安症の原因とは」について記載をいたしました。不安症やパニック障害の原因についてはまだはっきりと分かっていないことも多いですが、薬物治療やパニックを誘発させやすい物質の存在など、パニック症の治療やパニック発作の予防として参考にしていただけましたら幸いです。パニック症に関するブログはこちらでも紹介をしています。

「名駅エスカ院」のパニック障害の詳しい説明はこちらから

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など