統合失調症

統合失調症とは

分離不安症は心療内科ひだまりこころクリニック栄院へ

治りにくいといったイメージを捨てて、 まずは日常生活を取り戻してみませんか?

統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。「コミュニケーションが取れなくなる」「治りにくい」と誤ったイメージがありますが、心の働きの多くは保たれ、日常生活に復帰するまで回復可能です。考えや行動・感情を1つの目的に沿ってまとめていく能力(統合能力)が長期間にわたって低下し、その経過中に幻覚や妄想、まとまりのない行動がみられる病気です。

統合失調症について
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日常生活の中で
現れやすいサイン

  • どこからともなく聞こえてくる正体不明の声が、自分を責めたり命令してくる
  • みんなが自分の悪口を言ったり、嫌がらせをすると感じる
  • ささいなことに過敏になり、すぐ興奮するようになった
  • 独り笑いや独り言を言うようになった
  • 部屋に引きこもり、1日中ぼんやり過ごすようになった
  • 人と話すのが苦痛になり、会話するのが億劫になった
  • 1つのことに集中したり、とっさの判断ができなくなった

統合失調症の症状

陽性症状
陰性症状(消耗期・回復期にみられる慢性の症状)
  • 【妄想】実際にはありえないことを信じる
  • 【被害妄想】自分が責められている、尾行されている、騙されていると感じる
  • 【関係妄想】本や新聞などが自分のことを指していいると信じている
  • 【思考奪取】他人が自分の心を読めると感じる
  • 【幻覚】実際にないものを感じる。幻聴が最も多く見られる
  • 【思考障害】話題がとりとめもなくあちこちに飛ぶ。何を話したいか定かではない
  • 【奇異な行動】子供じみた行動、身なりや衛生面が不適切になる
  • 【感情鈍麻】表情が乏しくなり、アイコンタクトなども少なくなる
  • 【会話の乏しさ】口数が少なくなる、質問に対してそっけない答えを返す
  • 【快感消失】以前は楽しめていたことに関心を示さなくなる
  • 【非社交性】人間関係に関心を示さなくなる
発症から症状が落ち着くまでの経過
  • 1前兆期

    急性期の前段階で、様々な特徴的な症状が出てくる時期です。 焦りや不安感、感覚過敏、集中することが困難になる、やる気がなくなるなどの症状があります。 これらの症状はうつ病や気分障害の症状と似ているため、すぐに統合失調症と診断することができないことがあります。また、不眠・食欲がなくなる、頭痛といった自律神経の症状がみられることも特徴です。この段階で医療機関にかかる必要があります。

  • 2急性期

    幻覚や妄想など、統合失調症に特徴的な症状が出てくる時期です。 不安や緊張感、感覚過敏が極度に強まることも特徴です。 この幻覚や妄想によって頭の中が混乱してしまい、行動にまとまりを欠いたり、周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくなったりなど、日常生活に支障をきたすようになります。

  • 3休息期

    感情鈍麻や意欲の低下がみられる時期です。 急性期の統合失調症に特徴的な症状が出てきた後、休息期には無気力になり何もしなくなるなどの陰性症状が中心となります。この時期は不安定な精神状態になり、少しのきっかけで急性期に逆戻りしてしまうこともありますが、焦らないことが重要です。

  • 4回復期

    治療により症状が徐々におさまり、安定を取り戻していく時期です。 周囲からは病気がよくなったように見えますが、患者さんは疲労感や意欲の低下を感じながら、今後の不安や焦りを覚えることがあります。

  • 5安定期

    回復期を経て安定を取り戻す時期です。 安定期には、病前の状態に戻る場合もありますが、急性期の症状が一部残ってしまう場合や、回復期のような元気のない状態が続いてしまう場合などもあります。 しかし、この状態から再び前兆期が始まってしまうこともあるため、注意が必要な時期でもあります。

統合失調症について

統合失調症はおよそ100人に1人くらいの人が発症すると言われており、稀な病気ではありません。「特殊な病気」「危険な病気」「治らない病気」と誤解されることがありますが、今日では有効な薬も存在し、治療を最適に受けた方の半数以上は、社会生活を問題なく営むことができるまで回復することができると言われています。

良好な予後のためにも糖尿病や高血圧などの生活習慣病と同じように、薬物治療やリハビリテーション、精神療法といった治療を適切に受けることが大切です。それだけではなく、患者さん本人とご家族の方の協力や、再発防止のための治療の継続も大切になります。

原因や発症の要因
統合失調症の原因は明らかではありませんが、脳をはじめとする神経系の機能が障害される病気と考えられています。 過度なストレスや不安を感じた時に、脳の中でドーパミンという神経伝達物質が働き過ぎてしまいます。その結果、脳内の情報伝達が障害されてしまい、統合失調症を発症するという考え方(ドーパミン仮説)もあります。しかし最近では、この考え方以外にも様々な説が唱えられており、脳の構造の問題であるという考えもあります。

症状や経過
統合失調症はいくつかの段階を経て進行する病気です。それぞれの段階の期間とパターン症状の現れ方は様々ですが、一般に陽性症状、陰性症状に分類されます。

治療について

薬物療法と心理社会的治療の2本柱で再発防止

統合失調症の治療は薬物療法と心理社会的な治療(リハビリテーションや精神療法)を組み合わせて行っていきます。 統合失調症に用いられる薬剤は「抗精神病薬」と呼ばれます。抗精神病薬の作用は大きく分けて、幻覚や妄想などの陽性症状を改善する抗精神病作用、不安感や不眠などの症状を改善する鎮静催眠作用、感情鈍麻や意欲の低下などの陰性症状を改善する精神賦活作用の3種類です。

抗精神病薬には様々な種類があり、薬剤によって上記の3種類の作用のいずれかが強い、という特徴があります。そのため、患者さんそれぞれの症状に合う薬を適切に処方するにはある程度の試行錯誤が必要となり、治療は長期間におよびます。

また、抗精神病薬には再発予防効果があります。統合失調症は再発しやすい特徴があり、薬物治療で一旦症状が改善しても、その後も服薬を継続しないと数年で多くの患者さんが再発してしまいます。しかし、統合失調症の症状が改善した後も薬物治療を継続することによってその再発率が減少することがわかっています。

そのため、服薬は長期間にわたることを理解し、自己判断で服薬を中止せずに主治医と相談することが大切です。

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対応の仕方

焦らず、無理をせず、が大切です

「再発のしやすさ」がこの病気の特徴の1つです。再発のサインを知り、対処法を見つけておきましょう。 患者さんご本人だけでなく、ご家族が気を付けることもあるので、日頃から薬やストレスのことを話し合っておくと良いでしょう。 病院のでデイケア等リハビリステーションで体力や集中力の回復を図ったり、対人関係など生活上の問題を解決する技法、ストレスへの対処法を学ぶことも出来ます。過剰なストレスから遠ざけるためには、入院も1つの方法です。 焦らず、無理をせず、が大切です。

よくあるご質問

  • 統合失調症は、再発するおそれはありますか?

    場合によっては、再発する可能性はあります。

    統合失調症は、薬物療法と本人・家族の協力の組み合わせ、再発予防のための治療の継続が大切です。薬物療法・行動療法などを組み合わせた治療を継続していくことで再発率を抑えることはできます。

  • 統合失調症の症状が回復してきました、薬を飲まなくなるとどうなりますか?

    再発の可能性が高くなってしまいます。

    統合失調症の多くの場合、薬を止めてしまうと再発の可能性が高くなりますので、再発を防ぐためには継続した薬物治療が必要です。どうしても継続的に服用できない場合には、一度相談ください。

  • 統合失調症の治療に使われる薬にはどのようなものがありますか?

    抗精神病薬と呼ばれる薬が複数種類あります。統合失調症の治療に用いられる薬は、抗精神病薬と呼ばれています。この薬を飲むことで、感情不安定、妄想、幻覚等の症状を軽くすることができます。詳しくはお尋ねください。

  • 統合失調症の治療にはどれぐらいの期間がかかりますか?

    治療期間が時には数十年にもおよぶ場合もあります。

    統合失調症は慢性疾患の1つであり、治療期間が時には数十年にもおよぶこともありますが、きちんと治療をしていけば、普通に社会生活を続けていくことができる疾患の一つです。

よくあるご質問一覧

2019.06.102024.03.30

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