広場恐怖症とは、不調や不快感が強くなった時に逃げ出せないかもしれない場所にいることや誰も助けてくれないような場面で強く不安が高まってしまう事を指しています
広場恐怖症とは、何か不調が起きた時に逃げ出せなくなったらどうしよう、誰も助けてくれなかったらどうしようといった、恐怖や不安が出現してしまう疾患です
広場恐怖症とは、何か不調が起きた時に逃げ出せなくなったらどうしよう、誰も助けてくれなかったらどうしようといった、恐怖や不安が出現してしまう疾患です
困った体調や不調が出た時に逃げ出せない、誰も助けてくれない場所で強く不安や恐怖になってしまう疾患が広場恐怖症です。
例えば、トイレに行きたくなったらどうしよう、ここで倒れてしまったらどうしようと不安や恐怖になってしまうために、電車や映画館などの状況下で不安や恐怖が高まってしまう事もあるのです。
広場恐怖症というと、広い駐車場や公園を想い浮かべられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、広場恐怖症は逃げ出せない場面や助けてもらえない場所で強まる不安や恐怖が特徴ですので、必ずしも広場である必要はないのです。
駐車場やエレベーター、バスや電車、更には飛行機や船。
映画館やデパート、橋、トンネル等で症状が起きることもあります。
もちろん、人ごみの場所や、家の外という場面でも症状が起きえます。
DSM-4という以前の診断基準ではパニック症の患者に関連した疾患とされていました。
しかし、広場恐怖症の方すべてに、パニック障害が先行あるいは併存しているわけではないことが最近になって分かってきました。
つまり、パニック障害の有無に関係なく、広場恐怖症を呈する方もいらっしゃることが分かり、最新のDSM-5では広場恐怖症とパニック障害はそれぞれ独立した別の疾患として取り上げられることになったのです。
広場恐怖症は、逃げ出せない・助けてくれないかもしれないといった、「そのような状況」や「そのような想定」がされる場所を避けて生活をせざるを得なくなります。
最初はそのように避けることで、つらい症状にも出会うことなく比較的落ち着いて過ごすことが可能かもしれませんが、そのような選択的な行動が社会生活や日常生活に大きく与えていることもしばしばですし、症状が悪化して家の外に出ることすら困難になってしまう方もいらっしゃるという点は特徴です。
広場恐怖症の方は、実は引きこもりの方も多いとされており、比較的安全と感じられる場所や場面では症状が落ち着いているので、なかなか最初は「広場恐怖症」と気づかれにくい部分も大きな注意点であると言えます。
1生活や行動に制限や支障が出てしまう
生活や行動が、不快な症状や状況が誘発されるために、生活や行動が制限されている
2外出やその場へ行く事で、自分の身に何か起きてしまうのではないかと、更に不安になる
不安や恐怖が誘発されることが繰り返されることで、恐怖が更に大きくなってしまうのです
広場恐怖症は、最新のDSM-5 診断基準からは、パニック障害と広場恐怖症は独立した疾患になりました。
以前はパニック障害の患者には、ある程度の頻度で広場恐怖症を併発すると考えられていましたが、パニック障害の先行や併存に関係なく広場恐怖症の症状が出現していることが広く認められ、DSM-4からDSM-5の改定で、広場恐怖症が不安症群として独立したのです。
パニック障害は予期しないパニック発作ですが、広場恐怖症では必ずしもパニック発作の存在が必須ではなく、強い恐怖や耐えられない不安など、パニック様の症状として広く認めている点と、特定の状況下での不安や恐怖を特徴としている点が、大きな相違点であります。
A.広場恐怖症は5つの状況のうち2つ以上についての著明な恐怖や不安がある事が特徴です
【広場恐怖症の状況①】公共交通機関の利用(例:自動車、バス、列車、船、航空機など)
【広場恐怖症の状況②】広い場所にいること(例:駐車場、市場、橋)
【広場恐怖症の状況③】囲まれた場所にいること(例:店、劇場、映画館、美容院など)
【広場恐怖症の状況④】列に並ぶまたは群衆の中にいること
【広場恐怖症の状況⑤】家の外に1人でいること
B.パニック様の症状や、その他耐えられない、または当惑するような症状(例:高齢者の店頭の恐れや、失禁の恐れ等)が起きた時に、脱出は困難で、援助が得られないかもしれないと考え、これらの状況を恐怖し、回避する。
C.広場恐怖症の状況は、ほとんどいつも恐怖や不安を誘発する
D.広場恐怖症の状況は、積極的に避けられ、仲間の存在を必要とし、強い恐怖または不安を伴って耐えられている
E.その恐怖または不安は、広場恐怖症の状況によってもたらされる現実的な危険やその社会文化的背景と釣り合わない
F.その恐怖、不安、または回避は持続的で、典型的には6か月以上継続する
G.その恐怖、不安、または回避は臨床的に意味のある苦痛、または社会的職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こす
H.他の医学的疾患(例:炎症性腸疾患、パーキンソン病)が存在すれば、恐怖、不安、または回避が明らかに過剰である。
I.その恐怖、不安、または回避は、他の精神疾患の症状では上手く説明できない
「A」の恐怖症が出る状況は5つのうち2つ以上に当てはまる必要がある事
「B」苦痛な症状が出現すること
「F」6か月以上継続している事
「G」社会的に支障や障害を引き起こしている事
が特に重要であると考えます。
広場恐怖症のの生涯有病率は、2~6%と指摘されています。
また、パニック障害との関連性は高く、広場恐怖症の半分近くの人にはパニック障害が認められることも指摘されています。
他の不安症と同じく、広場恐怖症の経過途中で、うつ病の合併も指摘されているので注意が必要です
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
広場恐怖症の治療には、薬物療法や精神療法があります
他の不安症と同じく、広場恐怖症にも抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるSSRIが治療には有効ですし、再発予防にも効果があるとされています。 うつ病の治療と同様に初回は少ない薬量か、うつ病治療時よりも更に減量して治療を開始して、ゆっくり時間をかけて増量を行うことが大切です。
恐怖症や不安症では、認知面のゆがみが生じていることは実は多くあります。 特に、不安や恐怖を特定の行動や想定と強く結びつけてしまい、そのような認知面は自己の知覚や、他者から見た自己への認知といった面の影響が大きいとされています。 また、広場恐怖症では親しい人たちや医療専門職が介入することで、その状況下での不安や恐怖が緩和することも多いのが特徴です。 認知行動療法や行動療法など症状や、お一人お一人の状況に応じて、主に、定期的な外来通院を通して医師が働きかけを継続的に行う治療方法です。
外出できないことや、外出する際に渋ったり、相手の同伴を求めたりする、更には特定の場所には一人で行けないなどの状況が最初は気づかれることがあります。 しかし、そのような状況を周囲の人たちは、広場恐怖症のせいではなく、本人の希望、実は出かける口実、ただ外に出たくないだけの理由といった誤った認識をされてしまい、「本人のわがまま」として扱われてしまう事で疾患に対する孤立感を強めてしまう事もあるという点には注意が必要なのです。
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