適応障害で悩まれていませんか?
適応障害とはどのような疾患でしょうか?
会社や家庭で辛くなったり、落ち込みが出たり、不安な症状が出たりしていませんか?適応障害は、強いストレスが継続的にかかったりすると心身のバランスが崩れて、感情が不安定になったり、落ち込みや不安の症状が強く出てしまう疾患です。
ストレスの負荷に応じて症状が変動してしまうのが適応障害なのです
ひとたびストレスがから遠ざかると、症状が少し軽減されることもあるのですが、継続的にストレスがかかり、憂鬱な気持ちや落ち込みの症状が続く、不安な気持ちやイライラした気持ちが継続するといった症状が継続してしまうと、うつ病や不安障害へと移行してしまうこともありますので、お早目の心療内科・精神科受診をお勧めいたします。
人間関係などをきっかけとした適応障害が増えております
特に適応障害は現代社会では、高ストレス社会といわれており、かかる人が非常に多い疾患と言われております。人間関係の複雑化だけではなく、ライフスタイル、仕事や人生の価値観も実に多様化しており、そのために多くの場面でストレスを感じ、またストレスに対する対処能力が必然的に求められます。
自分の苦手な対応だったり、体調不良が重なり、ストレスに上手に対応できなかったときに、周りから批判や叱責を受けたり、ご自身の自信の喪失につながってしまったり、そのようなきっかけで適応障害にはなりやすいと考えられます。
適応障害の症状で辛い中、更に頑張りすぎて更に空回りして状況を悪化させてしまう事も
適応障害の方たちは、自分が上手にこなせないことや、そのような状況で、不安や落ち込みの症状が強く出てしまうこと自体に対しても、非常に苦しみ、それでも上手に振舞おうとしてしまいます。ですが、このような体調から、余計にミスを招いたり、更に周りと上手に対応できずに、自分の周囲の環境を更に悪化させてしまったりしているのです。
なかなか周囲に理解をしてもらえず、辛い思いをされておりませんか?
適応障害の症状は倦怠感や落ち込みや憂鬱・不安の症状が強く出るために、このように会社などでの社会生活や、日常生活が送りづらくなってしまうのです。
但し、趣味や楽しみなどのストレスの低い行為に関しては比較的症状が少なく取り組むことができるのが適応障害の特徴であるために、本当に病気なのか?などの認識をされてしまうことも少なくなく、まだまだ適応障害に対する周囲の理解は得られていないのが現状です。
適応障害の治療とは。ストレスへの調整や対応もとても大切です
適応障害の治療としては、薬物療法としての抗うつ薬のSSRIや抗不安薬などで落ち込みや不安の症状を緩和させ心身のバランスを改善できるように整えるだけではなく、ストレスへの調整が重要になります。
適応障害の治療におけるストレスへの調整というのは、急性期のストレスの軽減が重要になります。また、適応障害の症状が出やすい環境やストレスを減らすように環境調整をするだけではなく、病気のためにストレス耐性が極端に下がってしまっている状態ですので、十分に療養できるように環境の見直しをすることも必要です。その場合には、時短や配置転換だけではなく、休職などの配慮も必要になることもあります。
ストレスの負荷を下げることは急性期の治療では非常に重要なのですが、ストレス負荷を減らした状態で長期間過ごすことは、本人のストレスに対する対応力までも低下させてしまうこともあります。そのため、症状が少し落ち着いてきたところで、外出や、買い物、読書や運動などの他者とのかかわりや、人々が過ごしている場所への外出といった行動を繰り返したり、仕事の連絡をしたり電車に乗ってみるなどのをしながら、少しづつ生活や社会生活のストレスを増やしていく事が重要となります。
適応障害になりやすい性格とは。外来通院で受ける精神療法も大切です
また同時に、適応障害になりやすい性格としても、周囲の評価や周囲との人間関係に非常に敏感であったりなどの考え方のクセなどがあることもあるので、そのような癖や考え方の見直しも外来通院を通した精神療法で取り組むことも重要です。
「できた」といった自信を少しづつ積み重ねていく事も適応障害に対する効果があります
適応障害は、ストレスの多い現代社会では非常かかる人が多い疾患です。
きっかけとなったストレスに対応できるようになることをすべての治療目標としていくのではなく、治療を取り組む上で重要なのは、病気から疲弊してしまった心身が治療と共に、できるようになったこと、過ごせる行動や社会日常生活でのやり取りがどう増えていったのか、どういう活動を次にできるようになりたいのか一つ一つ着実に積み重ねていく事が重要なのです。
また、適応障害という病気になって気づくことができた、自分の中で無理しすぎてしまっていた部分や、苦手としていたストレスの部分の特徴などの見直しをして、次の生活に生かせるように取り組み工夫することができるきっかけともなるのが適応障害でもあるのです。そのような自分の内面のSOSに向き合い、今後その自分の内面と上手に過ごしていける方法を見出していくことも適応障害の治療のひとつでもあるのです。
適応障害かもと辛く悩まれている方はいませんか?適応障害は長期化しやすく、うつ病・不安障害などの進行を伴うこともあります。我慢しすぎず、お悩みの方は心療内科・精神科・メンタルクリニックへ受診しご相談してください。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など