アスペルガー症候群かもとお悩みではありませんか?
アスペルガー症候群とは社会的コミュニケーション能力が著しく不器用であったり、興味や関心やこだわりが強いために、社会での生きづらさや違和感を抱えてしまっているのが、アスペルガー症候群なのです。アスペルガー障害とも言われ、現在では自閉症スペクトラムとして診断がつけられていることがありますが、言語や学習能力などの知能で遅延や遅滞は見られません。最近は大人の発達障害としても注目をされています。
ここでいう社会的コミュニケーションの能力の不器用さというのは、「社会の場に即したコミュニケーションが苦手である」という意味であり、発語や発声が日頃できない、意味を持たない独り言が多いという意味ではありません。
質問に対する返答ができ、勉強も良くできることが多いために、アスペルガー症候群は子供のころには、気が付かれないことも多いのです。また男児に多いとされており、約8対1の男女性差があります(ICD-10精神および行動の障害 医学書院参照)
具体的な症状の一例としては、
・相手の言葉以上に意味があることを理解することが困難であることがあります
特に、成人になるにつれて、日本人特有の「本音」と「たてまえ」という言語の意味を理解することが困難であることが多く、「ごまかす」といった表現が非常に苦手です。そのために、会話の途中で体型や容姿などを素直にはっきりと伝えて相手を不快にさせてしまったりしてしまう事があります。状況に応じて問いかけや伝える内容は、なるべくなら具体的にする必要があります
・会話のキャッチボールが苦手で、集団の中で浮きやすい
会話のキャッチボールというのは多くの場合、「はい/いいえ」で済むほど短い会話ではなく、「体感の共有」、「感情の共有」を求めて話者と受け手で会話を繰り広げることによる一体感を生み出すのです。“例え、興味がなかったり、分からない話題だったとしても” 場に応じて興味がある姿勢を示したりする会話のやり取りが必要になることがありますが、アスペルガー症候群の方の場合は、はっきりと「知りません」「興味がないので分かりません」と悪気なく素直に伝えてしまい場の雰囲気を壊してしまうことがあるのです。
・こだわりが強く、相手の理解度などを考慮して会話することが苦手
アスペルガー症候群の方は、興味ある分野や得意な分野に非常に長けていることがあります。そのために、相手にも同じように興味があると考えてしまったり、相手の理解度を図ることが苦手なために、自分の関心や興味の赴くままに話題を進めてしまって自分勝手な印象を持たれてしまう事があります
上記のようなコミュニケーション上でのいわば“すれ違い”という状況が、アスペルガー症候群の方が社会人になるにつれて、多くなってしまうために悩んでつらくなってしまう事があります。
そのような“すれ違い”による人間関係がぎくしゃくして違和感を感じてしまい、働きづらさや生きづらさを感じてしまう事が多くなることで、ふさぎ込んで、抑うつ状態や不眠症などの疾患を併発してしまう事もあるのです。
もちろん先に挙げました、症状はあくまでも例ですので、当てはまらない方もみえますので、お気軽に、心療内科・精神科・メンタルクリニックまでご相談くださいませ。
アスペルガー症候群の治療は環境調整、社会適応能力の向上を図るための働きなどに効果があります
治療としては、アスペルガー症候群にうつ病などの併存疾患があれば、抗うつ薬などの薬物療法が有効となりますが、アスペルガー症候群の症状そのものに対する治療としては、通院による精神療法や環境調整などによる行動療法が有効となります。
具体的に自分はどのようなことが苦手であるのかを知ることや、実際の状況を想定してどのような場面でそのような“すれ違い”が起きやすいのか想定をしてそのようなすれ違いを少しでも軽減するための行動を想定して助言を行ったりすることもあります。もちろん、苦手としている症状やお一人お一人の特徴に応じて異なります。
また環境調整は非常に重要です。またアスペルガー症候群の方は、特定の興味や得意とされている分野では、高い能力を発揮することが多いといわれております。特に、反復練習により高い能力を上げることができる分野では習得度がとても速いことが多く、パソコンや語学や地理・道順なども相性が良いことも特徴といわれております。お一人お一人の特性に応じて、社会適応が更にスムーズに進むように、アドバイスをしたりその様な支援のご案内をさせていただくことがあります
当院では心理士と医師、そして精神保健福祉士と連携をして、患者様それぞれの個々の特性に応じた提案だけではなく、職場環境のアドバイスや就労支援サービスの紹介を行うことが可能です。アスペルガー症候群かもとお悩みの方は、メンタルクリニック・心療内科・精神科までお気軽にご相談くださいませ。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など